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CHAPTER3 洗体の基礎と入浴前後のチェックポイント

富山県介護福祉士会理事
水島 誠 氏

ねらい:入浴前の確認をし、衣服の着脱、洗体と清拭などをプライバシーに配慮して行う。

  • 1入浴の目的、事前の確認公開中

    入浴の目的、事前の確認

    入浴の介護は全身の皮膚状態を観察できる大きなチャンスです。個々の患者さんの状態に合わせた介護をすることで、皮膚を清潔にし、褥瘡や感染を予防することができます。また、血流促進や新陳代謝の改善、爽快感を得るだけではなく、疲労の回復や心身のリラックスにつながる効果もあります。入浴は患者さんの体への負担も大きくなることから、患者さんのバイタルサインの測定結果を確認し、状態に合わせ、多様な方法の中から適切な方法を選び、安全に実施するという技術が求められます。通常、入浴方法の選択は、医療職の指示や個別介護計画に則って行いますが、日々の利用者の状態を踏まえることが、安全・安心な入浴を行う上で重要です。

  • 2衣類の着脱公開中

    衣類の着脱

    入浴前後の着脱は、①脱衣による体調への影響と、②プライバシーへの配慮を重要視する必要があります。①着脱時は、室温によっては、心肺機能への影響が考えられます。②プライバシーについては、本人の様子や、専門職とはいえ自分を含めた介護者の視線を含めた配慮を行う必要があります。また、患者さんの心身状態を把握して「脱健・着患」の原則など踏まえ、自立動作の促しをしつつ、適切な時間内で実施が可能かについても判断しながら、患者さんに負担をかけないように着脱の支援することが大切です。

  • 3洗体、清拭公開中

    洗体、清拭

    洗体は心臓への負担を軽減させるため、心臓から遠い末梢から中枢の順番で洗うのが基本です。心臓から遠い足先から手、体幹に向かってお湯をかけながら入浴します。急に熱いお湯につかると血圧が上昇するので、水温計での目視だけでなく、職員が先に実際に手で湯温を確認して、安全に入浴できるようにしましょう。また、清拭を行う場合は、浴室と違って室温によっては寒さを感じることもあるため、部分的な露出にて介護を行うと同時に、プライバシーにも配慮が必要です。本人の意向を踏まえ、能力に応じ、自ら行える部分を、実施可能な方法を選択し促すことも必要です。