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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第15回 外来化学療法と病棟との連携

埼玉医科大学国際医療センター がん看護専門看護師
玉木秀子 氏

がん看護 STAGE1〜2

オンデマンド研修 11月12日(月)〜12月10日(月)

がん薬物療法を取り巻く環境は、近年で大きく変化しています。外来化学療法に関する診療報酬、支持療法の確立、入院期間の短縮化、患者の医療に対するニーズにより、外来で化学療法を行うことが一般的になってきました。その中で、病棟で治療を導入しその後外来治療へ移行する体制をとっている施設もあります。さらには外来化学療法中の有害事象により入院管理が必要なケースもあります。看護師は外来化学療法を受ける患者さんに対して、外来と病棟で連携し継続した看護ケアを提供することが求められています。本講義では、外来化学療法の安全管理、患者教育、外来と病棟の連携体制の構築についてお伝えします。

発信会場:公立昭和病院(東京都小平市)

第15回 外来化学療法と病棟との連携

質疑応答

  • 私たちではチームで表を作成して、チェックしながら患者さんにとって必要な情報を集めるようにしていますが、例えば、外来ですと投薬をしながらになると思いますが、そういった場面で話をしていくというのは難しいことなのか、何かプランニングがあれば教えてください。
    (ACP)を進めていくにあたって、外来化学療法を受けている患者さんに対してどのように情報を集めていくかという点に関してですが、投与管理をしながら患者さんにインタビューをするというのは、現実的にはなかなか難しいです。そのため外来を導入するときに必ず外来看護相談といったオリエンテーションを設けております。オリエンテーションの時に、患者さんに30分から1時間ぐらい個室での時間をとっておりますので、その際に効果的に情報を取れるようにしています。やはり重要なのは、どんなことを大事にしているのか患者さんの価値観になります。化学療法をすることが目的ではなく、化学療法を行い、症状を緩和し、命が長くなり、患者さんが何を望んでいるかといったあたりを聞き出せればよいと思います。
    患者さんご自身もそのあたりを言語化することが非常に難しいので引き出すのが難しいですが、患者さんご自身で考えている言葉を大切にして記録に残すように工夫しています。
  • 今回の講義の中での症例で、外来と病棟との架け橋として手紙やメールでのやりとりがありましたが、実際、忙しくて難しい中でカンファレンスを行ったという事例がありましたら教えてください。
    が行えませんが、私は専門看護師と認定看護師の資格を持っておりますので、病棟へ患者さんのコンサルテーションに行った際に、病棟からその患者さんの情報を伝えてもらうといった形で病棟のカンファレンスに参加する取り組みを行っています。しかし、全症例できないといったことがあります。まずはできるところから行っていくことが重要かと感じています。
  • 外来のスタッフでありながら継続看護ケアプランを立てていることに驚きました。初回の患者さんの情報収集は、看護記録を中心に取っていますが、すごく時間がかかってしまい、当日に患者さんと向き合って情報収集をし、ケアプランを立てるとするとどの段階で立てるのかがすごく難しいのです。レジメンによって1ヶ月に一回来院される患者さんや毎週来る患者さんもいらっしゃいますし、そこに関わるスタッフも日によって違うと思うのですが、誰が中心となってケアプランを立てているのか、どう評価しているのか教えていただけますか。
    ケアプランの立案に関しては、初回の外来化学療法のDay1の時に行っています。その評価については、レジメンによってドーズ・デンスやウィークリー療法や三週間に一回法、四週間に一回法などがありますが、そのDay1のカウントの際に行うようにルールを決めています。ですので、大体三週間から四週間に一回の評価という形になります。
    誰が行うかですが、残念ながら私の施設では担当制、プライマリーナーシングシステムではなく、パートナーシップナーシングシステムですので、必ず同じ人が担当するわけではありません。担当した人がDay1にあたった場合に評価をするという形になっています。
    評価をするときに、ケースカンファレンスといったものを毎日行っていますが、ケアプランの評価はケースカンファレンスで上げています。「この患者さんの計画はこのように上げていますが、評価はこのようにさせていただきます」上げますと、前回担当した人が情報を伝えてくれるといった副次的な効果もあります。しかし、どうしても感染予防や転倒防止といった患者さんの個別性がなかなか表れないケアプランもあります。一回目、二回目と行ってきてようやく患者さんの個別性がつかめてきた時に、より個別性のあるケアプランを立てて行けるよう、現在少しずつ外来化学療法室で努力しています。