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Eナース

S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第2回 ケアに役立つ感染管理の知識とスキル

社団法人日本看護協会認定部部長
洪 愛子

ライブ研修 4月16日(水)/ オンデマンド研修 4月18日(金)〜5月9日(金)

医療を受ける患者にとって、目的とする治療や看護を受ける過程において、医療事故や院内感染は期待しない事象であり、その発生を予防することに医療従事者は最大の努力をはらわなければならない。場に関わらず看護ケアの基本技術に共通する「感染管理の知識とスキル」の重要性とその内容について理解していただき、日常の看護ケアに応用していただくことを本研修プログラムの目標とする。

発信会場:東京小児療育病院(東京都武蔵村山市)

質疑応答

  • 老健病院などへ行くと、おむつ交換の際に手袋をはめている方が多いですが、小児ですと素手でおむつ交換をしているのをよく見かけますし、たとえばロタウィルスで来られた方に医療者は感染者の排泄物を処理するのに手袋をして対応していても、面会にきているご家族は素手でやっていたりするのを見かけます。そういったおむつ交換についてグローブの着用というのについて、まとめて見解を聞かせていただけたらと思います。
    おむつ交換について現場では手袋が徹底できないとよく聞きます。基本的にはおむつ交換には手袋をするのが原則です。しかしながら、手袋が適切に使用できないなど、制約される場合には、交換時にどの程度手を汚染させる可能性があるか考え、小児と大人では便の量が異なるので、小児でも下痢の場合には必ず手袋はします。また、ロタウイルスやノロウイルス、RSウイルスなどは、接触感染を協力に防ぐために、手袋をしておむつ交換や嘔吐物の処理等をします。少量で固形物で処理しやすい場合には、手袋をしないことも現実的にはあると思います。ただ、その後にしっかり手洗いやアルコール擦式手指消毒製剤等で手指衛生を徹底することが重要となります。それとおむつ交換に限らず、耐性菌感染症などが問題となっている場合には、量の大小に関わらず、医療従事者自身が接触感染予防策を意識して手袋をした方が良いと思います。

    自分の子どもしか触らない家族と、広く色々な方に接する医療従事者とでは状況は異なります。家族の方にも手の衛生を充実していただければ、常に手袋をしなくてもかまわないと思います。しかし皆さんの場合は対象となる範囲が広いですから、手袋使用に努めるということを基本にしていただきたいと思います。
  • 小児の外来などで、感染症の疑いがある方が来られた場合、おそらく他の患者さんから隔離をしてその方の診察をなさると思います。たとえばとても混んでいたとしたら、その方が感染部屋から帰られた後に普通の一般の患者さんで使いたいと思います。その感染症の方の使った部屋を、感染防止のためにする方法として、今まででしたらアルコール系のスプレーなどで机とか診察台を消毒した記憶がありますが、今はいかがなのでしょうか?
    外来ですと確かに次から次へ色んな方が部屋を使いますが、普段からの清掃を日常的にしっかりやっていれば良いということです。外来受診時に嘔吐したり出血したりと環境を汚染しますと、その部分は速やかにふき取っていただくというのが重要となります。アルコールは噴霧する必要はありません。SARSや新型インフルエンザの患者さんが外来で受診される状況になった場合、どういう対策を取るかというのは、外来での患者さんの診療経路を決めて、特定の入り口だけを使うとか、ある外来のユニットだけを使うとか、工夫は必要です。しかし、通常の外来患者の場合であれば、呼吸器症状があれば、マスクをつけていただくなど、咳エチケットを実践していれば、医療施設の外来環境を著しく汚染するということはないと思います。
  • 病院でありながら長期入所者の生活の場でもある施設の場合、スタンダードプリコーションに沿って全てを実施できれば良いですが、困難な面も多々あります。最低これだけは守って欲しいという点を教えていただきたいです。
    最低限守っていただきたいこととして、何ができなくてもやはり手洗いだけはいつでもどこでもできますので、これに尽きると思います。もちろん、手袋も適切に使用していただきたいですが。最近は、マスクをする習慣がかなりついていらっしゃいますので、その習慣を守っていただければと思います。ご自身の身体を守る意味でも手の衛生に注意していただき、日常的に汚染に気が付いたらすぐに拭き取るなど、衛生的な療養環境の整備に努めていただきたいですね。採光と換気にも注意していただければ良いのではないかと思います。