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Eナース

S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第20回 深部静脈血栓症予防と看護ケア

NTT東日本関東病院
木下 佳子

ライブ研修 1月21日(水)/ オンデマンド研修 1月23日(金)〜2月6日(金)

深部静脈血栓症(DVT)が原因となって起こる肺血栓塞栓症は、手術を受けた患者のみならず活動性が低下した入院患者に発生する致命的な合併症である。これに関連し看護師は、リスクアセスメント、患者・家族への説明、予防措置の安全で効果的な実施、肺血栓塞栓症発生時の早期発見と対処など重要な役割を担っている。今回は、深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の解説と看護師が担うべき役割、予防のための具体的方法、それらにまつわる問題点について述べたいと思う。

発信会場:発信会場:日本看護協会神戸研修センター(兵庫県神戸市)

第20回 深部静脈血栓症予防と看護ケア

質疑応答

  • 深部静脈血栓症は女性に多いと聞きますが、原因はどのように考えられますか?
    女性に多い理由はわかりませんが、産婦人科領域にとても多いと聞きます。胎児や子宮筋腫などがあると血流阻害するため、リスクが高まります。さらにホルモン剤など女性特有の薬物を飲んでいることもリスクを高める原因になります。
  • 深部静脈血栓症は周術期と災害避難所での生活、エコノミー症候群などのほかにどのようなシチュエーションでの発症が考えられますか?
    社会的なシチュエーションのケースというのはわかりませんが、とにかく動かない、座りっぱなしなどの状況だと起こりやすいです。正座をしたまま何時間も編み物をしているなど、そういう方は起こりやすい可能性はあります。椅子文化になって変わってきましたが、日本古来の正座という習慣は、もしかすると血栓が起こりやすい状況を作っているかもしれません。
    入院患者さんであれば周術期にかかわらず、内科のがん患者さんで手術をせずに入院している方などでも、活動性が低下しリスク因子が高まって起こりやすい状況をつくっている場合があります。
  • 弾性ストッキングは間欠的な使用では有効でないのでしょうか?
    脱いでしばらくして履かないでいるということよりも、ずっと履いている方が効果あります。推奨している方法は、毎日続けて履くということだと思います。ただ、履きたくないという方で活動性がアップしているならば、 その分歩いたり運動したりし、状況に応じて使用すれば良いかと思います。
  • 予防措置として離床までフットポンプや弾性ストッキングを使用していますが、急性期を経過して寝たきりになって離床できないなどとか、症状リハの場合の弾性ストッキングの使用はいつまでするべきでしょうか。
    起き上がる可能性がなくずっと寝たきりというケースですね。考え方としては、起きて歩き始めた時に血栓が飛ぶという状態を避けようとしているわけですから、起きる可能性のない患者さんが予防措置を嫌だというのであれば、しなくても良いという考え方もあると思います。
    ICUやCCUで治療される方というのは、その後回復してリハビリして病棟から退院されるという場合が多く、離床時に発症することを予防するためにも、必ず予防措置をすべきかと思います。
  • 整形外科で入院したらすぐに膝までの弾性ストッキングを はいていただき、術後はその上からフロートロンを巻いています。同様にリハビリの方をすぐに開始しフロートロンは外すのですが、患者さんは弾性ストッキングをずっと履いたままです。リハビリの時間になると動いてリハビリ室にいるのですが、帰ってくるとまたずっと臥床している患者さんの場合、ストッキングは履いたままでよろしいでしょうか。歩行訓練開始と同時に弾性ストッキングは外しても良いのでしょうか。また、車いすに移譲をする時にはフロートロンを外したままですが、それはどうでしょうか。
    整形の患者さんというのはリスクがいつまでも続くという印象があります。

    過去に経験した患者さんで、もうすぐ退院というときに発症してしまうことが、ありました。それはなかなか活動性が上がらないということ、凝固療法をすると創部出血が続くことが多く、そこが腫れて血栓ができやすい状態になり非常に長くリスクが続く印象があります。ですので、なるべく長く履いていた方が良いと思います。むしろ退院してからも履いていられるくらいの方が良いかと思います。

    フロートロンの方はストッキングと併用して効果があるというのとないというのと両方説があります。フロートロンはそれをつけることによって、活動を阻害することになる場合がありますので、リハビリの時に外しているというのは良いと思います。車いすでフロートロンを装着しているのは現実的に無理だと思うのではずしてよいのではないでしょうか。あとは、患者さんが嫌でないかとか、病院施設で何台あるのかなど現実的な問題で考えるしかないと思います。

    ただ、気をつけなければならないのが、昼間活動性が上がっている時にフロートロンを外して夜間つけるというのは良いと思いますが、危険なのは患者さんがどんどん回復していて、フロートロンをはずしたのに途中で具合が悪くなり活動性が下がった状態が続いたときに、再度フロートロンをつけたりするなどのケースがあると思います。その際、活動しない長い期間の間に血栓ができている可能性がありますので、フロートロンをつけることは、避けた方が良いです。
  • 「医療安全全国共同行動」のキャンペーンに参加登録をすると、その病院施設に何か特典はありますか?
    特別な特典というものはありませんが、参加の仕方によってフィードバックがあります。参加して活動することによって、成果をお互いに共有することに意味があると思いますので、ぜひ登録していただければと思います。