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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第4回 人工呼吸器装着患者の看護

杏林大学医学部付属病院看護・助産実践教育研究センター 集中ケア認定看護師教育課程専任教員
尾野 敏明

ライブ研修 5月20日(水)/ オンデマンド研修 5月25日(月)〜6月15日(月)

昨今科学技術の進歩とともに、医療技術も目覚ましく発展してきました。人工呼吸器もその類に漏れず、micro computerが内蔵され、より細かな設定などが可能となりました。その一方で操作方法の多様化や複雑化を招いているのも事実です。生命維持装置であるがゆえに、わずかな機器の操作ミスや不具合が患者の生命を脅かすことになります。人工呼吸管理が行われている患者においては、その呼吸ケアの善し悪しが、患者の予後を左右すると言っても過言ではありません。本講義では、基本的呼吸生理について学習し、人工呼吸の特徴、看護の実際について学んでいきたいと思います。

発信会場:発信会場:新葛飾病院(東京都葛飾区)

第4回 人工呼吸器装着患者の看護

質疑応答

  • オーラルケア時,カフ圧は上昇させた方がよいのですか?
    文献によっては,洗浄に伴う誤嚥を予防するという目的で,一時的に上昇させた方がよいという記載がされたものもあります。しかしカフ圧を上昇させても,カフ周囲からの垂れ込みを完全に防ぐことはできません。またカフ圧を元に戻した時に,垂れ込むリスクがあります。そのため,オーラルケア時にカフ圧を上昇させる必要性はありません。ただしオーラルケア前にカフ圧をきちんと確認しておくことは必要です。またカフ上部に吸引ポートが設けられている気管チューブでは,オーラルケア時に一時的にカフ圧を上昇させ,洗浄後にカフ上部吸引を行ってからカフ圧を戻すことで垂れ込みのリスクを軽減することができます。
  • 気管吸引時,吸引チューブを折り曲げずに挿入しても良いと聞いたことがあります。吸引圧をかけたままで吸引を行ってもよいのですか?
    吸引チューブを気道に挿入する際,吸引チューブを折り曲げて圧がかからないようにし,肺内のガスを吸引しないようにする方法が行われていました。しかし,挿管チューブの内径の1/2以下の太さの吸引チューブを用いることを前提として考えると,周囲のガスを吸引するトータル量は数十mL程度しかなく,肺内のガス容量を著しく減少させてしまうことはありません。むしろ吸引チューブを折り曲げて挿入し,チューブの先端が気管壁にあたった時に吸引圧をかけた場合,気道粘膜の一点に陰圧が強くかかる危険性があり,気道粘膜に損傷を与えかねません。そのため吸引チューブを折り曲げず吸引圧をかけながら挿入し,吸引時間を短くなるよう心がけましょう。