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Eナース

S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第21回 看護師に必要なリハビリテーションの知識と技術

慈恵会医科大学附属病院
小松 由佳

ライブ研修 2月3日(水)/ オンデマンド研修 2月8日(月)〜3月1日(月)

リハビリテーションとは、「何らかの障害を有した人に対し、その人のもつ能力を最大限に活用できるようにするためのアプローチ」といわれています。すなわち、リハビリテーションとは、看護の理念そのものといえます。看護師が行う早期リハビリテーションの技術は、安静の弊害としてもたらされる廃用障害、いわゆる二次障害の予防、あるいは現在の機能を最大限にするための援助、そして廃用障害に陥った場合の対応によって構成され、可能な限りの患者の早期自立がゴールです。今回の講義では、急性期から退院後・在宅での患者/利用者の生活を見通した早期リハビリテーションの実際について重点的にお話していきます。

発信会場:発信会場:パラマウントベッド株式会社本社(東京都江東区)

第21回 看護師に必要なリハビリテーションの知識と技術

質疑応答

  • ICUで勤務しています。長期臥床によって尿量が増加し、その結果循環血液が減少するというお話がありましたが、ICUで安静が強いられるような患者さんの多くは人口呼吸器が装着されています。人工呼吸器が装着されている場合は逆に胸腔内圧が上昇して抗利尿ホルモンの分泌が促進されて、逆に尿量が減るのではないでしょうか。そのあたりのバランスをどう考えたらよいか、教えて下さい。
    講義中で話したケースは人工呼吸器をつけていない場合のことがメインとなっています。実際経験していても、確かに尿量がそんなに減少していません。ICUではモニタリングされていますし、それなりに尿量が減少したとしても点滴で管理されていますから、どちらが優位になっているのか何とも言えないところだと実際には思います。ですから、全身機能を考えながら、今は脱水なのかどうなのかという病態判断をきちんとしていく、全身機能がどういう状態なのかフィジカルアセスメントをしていきながら、リハビリテーションをしていくのが重要です。
  • 体位による肺気量の変化ということで、FRCが体位によって変化しているというのがありましたが、FRCが増えるということは呼吸に対してどのようにプラスにつながっているのかというのを、もう少し詳しく教えていただけますか?
    簡単に言えば、ガス交換が改善するということ。FRCが上がると呼吸の状態にどう影響がおきるかということですが、簡単に言えば換気が改善される、繊毛が起こされ運動が活発になる、肺胞が広がっていくということをお話させていただきました。肺がしぼんでいると痰が出にくいですが、肺胞が広がっている状態を作ってあげることによって呼吸に良い影響をあたえます。
  • 高機能ベッドを使用することで、私たちナースの離床への援助はスムーズに行えるようになりますが、高機能ベッドを使うことで患者さんのリハビリテーションや離床にメリットがあると考えて良いのか、また、高機能ベッドを使用するにあたって気をつける点などをご紹介してください。
    スイッチひとつでベッドがあがる、座位になれるという高機能ベッドは私たちナースには楽だと思います。しかし、やはりひとりで行うべきではないと私は思っています。ICUにいると患者さんを見渡しながらスイッチを押したりしますが、逆側が死角になる恐れがあり、例えばチューブが引っ張られたりするアクシデントも実際あります。そういうことを注意した方が良いのと、また早く座位にした方が良いと足を下げたくなりますが、循環動態が不安定な状態で行ったりすると、血圧が下がって不整脈が出るといったことが起こることもあります。きちんとしたフィジカルアセスメントをしながら、高機能ベッドを使っていくことが重要になってくると思います。