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Eナース

S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第16回 極めよう! 最新の褥瘡ケア

国立病院機構東京病院
石川 環

ライブ研修 11月17日(水)/ オンデマンド研修 11月22日(月)〜12月13日(月)

厚生労働省は、2004年に特定機能病院などが重度の褥瘡を発生させた場合、事故報告書を日本医療評価機構に提出することを義務付けた。つまり、褥瘡は病院の質を図るクオリティーインディケーターであり、褥瘡対策を行うことは医療者として当然の義務である。そして、2010年4月の診療報酬改訂により「局所陰圧閉鎖処置」が保険収載され、新たな治療法を習得する必要がある。 本研修では、褥瘡ケアの基本および最新の治療法について解説する。

発信会場:発信会場:国立病院機構東京病院(東京都清瀬市)

第16回 極めよう! 最新の褥瘡ケア

質疑応答

  • ポケットの測定のところでPライトを使って測定する方法を教えていただきましたが、施設にPライトがなかったり、その場で手元にない場合、Pライト以外にポケットを測定する方法を教えて下さい。
    ひとつの工夫としては、細いサクションチューブなどの、フレンチの細く柔らかい素材であることを利用してPライトのように少しずつ挿入して、先端をそうていして印をつけるという方法がおすすめです。サクションチューブはPライトに比べてリスクはあると思いますが、鑷子を差し込むよりは良いかと思います。 また、そこまで深く入れて正確にアセスメントのために測定しなければならないかどうかといった判断も必要です。
  • VACシステムについて質問です。交換の時に肉芽がフォームに食い込んで、除去をする時に痛みが伴うということを経験したことがあるのですが、その際の痛みのコントロールとして効果的な方法があったら教えて下さい。
    実際に臨床の場ではがす時に痛みを感じられた経験がないので、適切な答えになるかわからないですが、フォームをはがす時に湿らせてゆっくりはがしていらっしゃるのであっても、痛みを訴えられるのであれば、医師と相談して鎮痛剤を処方していただくことを考えます。
  • V.A.C.システムをうまく成功させるための技術をアドバイスしてください。
    V.A.C.は肉芽を盛り上げることが作用として特長があります。盛り上がった時に最後に上皮を形成させて行く段階だと、VACだと上皮をうまく形成させられない場合があります。工夫としては、ある程度盛り上がってきたら、フォームを創のサイズギリギリではなく少し小さめにカットします。そして創の辺縁の部分でちょっとフィルムを重ねます。そうすると上皮の形成がスムーズになり、陰圧の効果で上皮化が期待できます。
  • 先ほどは仙骨部の褥瘡であるとか、DTIだとかご説明いただいたのですが、下肢、特にかかと部分に褥瘡を作った場合、褥瘡であるのか、糖尿病性の潰瘍であるのか、下肢潰瘍であるのか、そのあたりのアセスメントに悩むのですが、どのように判断すれば良いでしょうか。
    臨床の現場ではかかとにできる糖尿病性潰瘍の患者さんも多いですが、まず足背動脈に触知があるかどうかを確認します。それから血流の評価で、ABI測定を行って0.8を下回るような場合は血流障害を来している危険がありますので、そうした場合は糖尿性潰瘍の可能性が高いです。
  • 壊死組織のところで、鑷子でつまめてデブリドマンできる場合はN3と評価するとありましたが、看護師としては慌てずに医師と共に評価するということで判断するのでも良いでしょうか。
    そのとおりです。自分だけで鑷子で触って壊死組織の下がどういう状況かわからない場合は、その場ですぐに判断するのではなく、医師と共に判定するというのが適切です。