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Eナース

S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第21回 フィジカルアセスメントの基本技術 [基礎]

名古屋大学医学部基礎看護学講座 教授
山内 豊明

ライブ研修 2月1日(水)/ オンデマンド研修 2月6日(月)〜2月27日(月)

本講座では、フィジカルアセスメントの基本技術の中で最も有効なものとして『聴診』について取り上げる。聴診とは体内に長じる音(振動)を聴き取り、内部の様子を判断することである。この聴診技法は様々な場面での応用がなされるが、その中でも最も頻繁かつ有意義に用いられているのは、呼吸音聴取の場面である。本講座では呼吸音の聴診をテーマに、最終的には呼吸のアセスメントまで深めていく。

発信会場:発信会場:聖霊病院(愛知県名古屋市)

第21回 フィジカルアセスメントの基本技術 [基礎]

質疑応答

  • 心不全の患者さんなどで喉がゼイゼイなっておられる時に「喘鳴(ぜいめい)というのですが、何なのか教えて下さい。
    「ぜいめい」というのは実は正式な呼吸音についての表現ではありません。講義中でお話した肺の中で4つ、胸膜摩擦音を入れても5つ、これが国際的に標準化されている呼吸音なのです。「ぜいめい」は国語的には「ぜんめい」と呼ぶのが正しいものですが、これはこの言葉を使っている者によって意味することが異なっています。ヒューッという高調性連続性副雑音が喘鳴と思って使っている方がいます、ウーッという低調性連続性副雑音も含めて連続性副雑音が喘鳴と思っている人もいます。おっしゃったようなゼイゼイもゴロゴロも喘鳴と思っている方もいます。皆さんそれぞれのマイルールで喘鳴を捉えています。
  • 本来聞こえるべき場所で音が聞こえるのは普通だというお話でしたが、下葉の方は肺胞音しか聞こえないはずなのに気管支のような音がすれば異常だけど、逆に肺胞音がもっと上の方で聞こえるようなこともあるのでしょうか。
    気管支音という喉元でしか聞こえないはずの音が肺野の下の方で聞こえる場合というのは、肺炎を起こしていて肺が水っぽくなったり、非常に強い肺線維症が進んで肺が硬くなっている疑いがあります。音は空気っぽいものより水っぽいもの、柔らかいものよりも硬いものの方がよく伝わります。喉元で鳴ってその周辺でしか聞こえないはずの気管支音がもっと遠くで聞こえるというのは、より肺が普段より音を伝えやすい状態であるということです。これを用語でいえば「気管支呼吸音化」と呼びます。

     このような状況では、元々末梢で鳴っている肺胞音は喉元へ伝わりやすくなっているはずですが、気管支音というのはたくさんの空気を通していることを反映しているため元々大きな音である一方で、末梢での空気の流れはほんのわずかなとなるため肺胞音の音量はそもそも小さく、そのために大きな音の鳴っている部位にかすかな音が届いても認識できないのです。つまり喉元の音が末梢に伝わり易い分、末梢の音も同様に喉元に伝わりやすいですが、我々には気がつくのは不可能なのです。

     我々が指摘すべきポイントは、かすかな吸気しか聞こえないはずの場所で呼気がはっきり長くて大きな音がした場合、本来ここではしない音として指摘すべきです。