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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第18回 がん性疼痛のアセスメント 〜痛みのメカニズムから緩和まで

静岡県立静岡がんセンター がん看護専門看護師
久山 幸恵 氏

ライブ研修 12月18日(水)/ オンデマンド研修 12月24日(火)〜1月21日(火)

がんの痛みは早期からさまざまな原因で出現しますが、WHOは、原因に応じた適切な治療とケアで90%以上は和らげることができると言われています。そのためには、痛みの原因や、性質、鎮痛薬の反応、日常生活への支障を繰り返しアセスメントすること、患者の生活の質の改善を目指しケアしていくことが欠かせません。
この研修では今すぐ実践に活かせるコツを解説させていただきます。

発信会場:発信会場:パラマウントベッド メディカル・デザイン・スタジオ(東京都文京区)

第18回 がん性疼痛のアセスメント 〜痛みのメカニズムから緩和まで

■ 第18回研修レジュメを準備しました。ご契約施設担当者の方は、事務局からのメールに記載のページよりPDF資料をダウンロードして下さい。

質疑応答

  • オピオイド投与中にせん妄が出たらどうしたらよいでしょうか?
    これは臨床上ではよくある事なのですが、せん妄が出たら原因のオピオイドをやめるかという事を即決せずに、まずは何故せん妄が起こったのかを評価するようにしましょう。 せん妄の原因が病状の末期である事で可逆的か不可逆的か、そういった事も考えられますし、病態の電解質のバランスで起こっている場合もありますので、オピオイドよりもまずはせん妄が何故起こっているのか原因対策による治療を始めましょう。 もしオピオイドが原因で、痛みもそれ程ないという事がしっかり評価されたようであればオピオイドをやや減量するなどを、次に行ってみてください。 オピオイドの反応には個人差がありますので、急激にオピオイドローテーションをしたり、急な減量には注意しながら対処して頂ければと思います。
  • 「モルヒネを使いたくない」と患者さんに拒絶されたらどうしたらよいでしょか?
    近年、患者さんや家族のオピオイドに関する理解も様々になってきています。 オピオイドが検査中にも使われてきていますし、様々な種類が臨床現場では使われている分、正しい理解を出来ているという事を医療者も確認する必要があります。 それと同時に医療者自身もただ安全性だけを患者さんやご家族に教育するだけでは立ち行かないと思います。大事なのは患者さんとご家族が何故使いたくないと言っているのか、その思いを理解し受け止めてからでないと、その次の手というのはないと思います。 患者さん家族がどのような理由で嫌と言うのか、例えば患者さんやご家族に、モルヒネを使ったら死に近づくお薬というイメージがある場合は、そう思う理由を理解した上で「それは誤解である」という事や「そういった状況があってお辛かったですね」の言葉かけで正しいオピオイドの知識が、患者さんとご家族の心にも頭にも響くと思いますので、まずは原因をよく聞いて正しい知識を一緒に話し合うというところからではないかと思います。
  • 先生が体験した中で薬物療法以外の痛みの緩和で、時に有効と感じ実践しているもの、またそれを実行する時間やポイントを教えて いただければと思います。
    薬物療法と併行して非薬物療法を行うことが大事です。非薬物療法は患者さんの痛みの性質や個人的な好みによって有効性は異なります。
    化学療法の副作用による末梢神経障害については、全身浴、手浴、足浴、温罨法などで楽になるという患者さんがいます。 温浴効果は、自律神経系への影響などの生理・心理学的効果,リラクゼーション効果,症状緩和への効果として現れているのだと思われます。
    実行する時間やポイントについては、患者さんの痛みの性質、痛みの強さ、生活リズムや好みに合わせて時間帯を決め工夫するのがいいと思います。
    湯たんぽ、温めたタオルによるホットパックなど、温罨法を行う場合には、熱傷に十分注意して行う必要があります。
  • 痛み止め(増量やレスキュー)の使用を拒否する患者様への効果的な説明など、体験談がありましたら教えてください。
    痛み止めの使用を拒否する患者さんの一人一人に色々な理由があります。
    麻薬が怖い、耐性ができてしまいそうという薬物療法への不安・心配もあれば、少々の病気では薬を飲んだことがなかったという生活習慣などもあります。 痛み止めを飲む飲まないだけでなく、その人にとってどのような病気体験を経て、痛み止めの使用に抵抗しているのか医療者が丁寧に聴く必要があります。
    「医療用麻薬が怖い」という背景には、「麻薬を飲むようになるともう先がなくなるようで怖かった」と病気の進行から先行きの不安を訴える患者さんもいました。
    このように様々な思いを抱きながら疼痛コントロールをする患者さんの、痛みの原因や治療と合わせて、心の揺れ動きに配慮したケアも重要です。