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Eナース

S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第1回 1から学べる感染予防とその根拠

日本看護協会 看護研修学校 認定看護師教育課程 感染管理学科 専任教員
渋谷 智恵 氏

STAGE1〜2

ライブ研修 4月2日(水)/ オンデマンド研修 4月7日(月)〜5月5日(月)

医療機関内の感染を予防するためには大きく二つの対策があります。(1)医療機関内において患者が新たな感染を起こさないための対策、(2)医療従事者が医療機関内で感染しないための対策。
この二つの対策の基本を理解することは、医療現場で働くすべての職員にとって重要なことです。本研修で具体的な対策の方法とその根拠をご理解いただき、明日からの実践に役立てていただきたいと思います。

発信会場:発信会場:武蔵台病院(埼玉県日高市)

第1回 1から学べる感染予防とその根拠

質疑応答

  • 在宅療養でクロストリディウム・ディフィシル(CD)が検出されている患者さんを指導しました。CDを対象とした手指衛生は、速乾性擦式手指消毒剤による手指消毒ではなく、流水と石鹸による手洗いをするようにというお話でしたが、在宅では実際にそれを行うことが難しいと感じました。どのように指導すると良かったでしょうか?
    入院と在宅の大きな違いは、当該患者以外に感染を起こす可能性のある方が他にもいるかいないかです。院内では他の患者への感染拡大を予防するために、CDを対象とする手指衛生では流水と石鹸による手洗いを徹底する必要があります。しかし在宅の場合は患者が一人しかいないという点や家族にあれこれ指導することが難しいという点もあります。またおむつ交換後に流水と石鹸による手洗いをしにベッドから離れるとその間に患者さんがベッドから落ちてしまう危険もあるかも知れません。したがって在宅でのCDを対象とした手指衛生はもう少し柔軟に、「おむつ交換後の手洗いは流水と石鹸による手洗いが基本です」ということをお話ししたとしても、おむつ交換後に寝衣を調え、患者の安全な体位を確保できてから、流水と石鹸による手洗いをしてもらうこととし、それまでの間は手指消毒薬を使っていただくという方法で良いと思います。
  • 最後の事例2の回答は流水と石鹸による手洗いをするということでしたが、更に念を入れて流水と石鹸による手洗い後に手指消毒を行うよう指導するというのはどうでしょうか。
    流水と石けんによる手洗い後さらに手指消毒をされるという方法は、より徹底していて手指衛生の効果も期待できると思います。しかしそうした方法を行うことで、中には手荒れを起してしまう方もいます。手指衛生を熱心にすればするほど手が荒れてしまうという悪い循環になってしまう場合があります。荒れた手には微生物が多く付着するようになり、手指を清潔に保持することが難しくなります。手が荒れてしまった場合は、手指衛生後も微生物を手から排除することが難しい状態であることを認識いただき、できるだけディスポ手袋を活用していただくことをお勧めします。