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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第8回 ストーマケアに必要な知識とスキル

東京慈恵会医科大学医学部看護学科 成人看護学 講師
中川ひろみ 氏
東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科 看護システムマネジメント学分野博士後期課程
山本 亜矢 氏

褥瘡 STAGE2〜4

ライブ研修 7月15日(水)/ オンデマンド研修 7月21日(火)〜8月18日(火)

厚生労働省によると2006年の膀胱・直腸障害による身体障害者手帳の所持は13万5000人と報告され,年々増加傾向にあります.近年,腹腔鏡手術が増加する一方で,肛門の温存が難しい直腸手術や,がん終末期にストーマが造設されていることから,看護師はストーマケアについての知識を深め,スキルを向上させることが求められています.特に,ストーマ周囲の皮膚合併症は皮膚のバリア機能の破綻から,病原性細菌の増殖を促し,感染のリスクを増加させる要因となります.皮膚が健常であることは,ストーマ装具を確実に貼付する上で特に重要です.本研修では,ストーマ周囲皮膚合併症に焦点をあてて,事例を用いて,ストーマケアに必要な知識とスキルをわかりやすく解説します.

発信会場:発信会場:メディカルプラザ平和台病院(千葉県我孫子)

第8回 ストーマケアに必要な知識とスキル

質疑応答

  • 皮膚炎が起こった場合の軟膏を塗る順序ですが、洗浄剤で洗い軟膏を塗って粉を塗り保護材を塗るという順序で良いでしょうかということ、カンジダ症を起こした事例の中でオムツを当てている患者さんがいましたが、当院の場合高齢の方が多く下痢をした時にすごく大変な思いをしたということでテープを何重にも貼り、その上にオムツを使っていたりと、常に最悪の事態を想定しその状態を変えられないという患者さんがいるのですが、そのような時の上手な声掛けなどありますでしょうか?
    まず1番目のご質問に関しましては、やはり軟膏をカンジダ症の場合は抗真菌薬の治療が必要ですが、軟膏よりはローションのように油分の少ないタイプのものを治療薬として出していただけると良いかなと思います。
    ローションでしたり最近はスプレータイプのものも出てきているかと思うのでそういったものを出して頂けるように皮膚科の先生にお願いをするという形です。
    乾いてから特にびらんなどが周りに生じていなければ粉状皮膚保護剤を塗布してもくっ付かないので、基本的には治療薬を塗って乾いたら装具を装着するという形で特に問題はないと思います。

    2つ目は肛門周囲皮膚炎についてですが、そちらは今日ご紹介したような被膜剤や粉状皮膚保護剤などを最初から併用していくということが重要です。どちらかというと治療的なスキンケアになると思いますが、局所的なケアとしては亜鉛化軟膏などが出される場合、そこに便が出てくると軟膏が落ちてきますので、その場合1日1回は皮膚に優しい洗浄剤で洗浄をして粉状皮膚保護剤をびらんになっている部分に振りかけていただいて、被膜スプレーをするだけでもオムツを強く当てなくて済むのではないかと思います。
    あとは下痢をする根本的な原因を突き止めて下痢への治療が必要だと思いますので、そこにつきましては医師の診断が必要になります。やはり局所だけでは追いつかないことも沢山ありますので根本的な原因を探していくということも必要かと思います。
  • 治療的スキンケアと予防的スキンケアというものがありましたが、具体的にその方法について違いはありますでしょうか?
    基本的には違いはないと思います。どちらにしましてもやるべき事は皮膚に優しい洗浄剤を使用するということがまず1つあります。そして洗浄剤の成分をしっかり落としてあげるということになります。
    そして予防の場合には、その部分に被膜剤など今度は剥離刺激を低減するものを使っていくことが必要になるかと思います。
    もしびらんなどが起こって治療が必要な状態でしたら、粉状皮膚保護剤を先に振りかけて被膜剤を使用してといった手順になりますので根本的なやり方は同じです。
  • 予防的スキンケアという場合の目安ですが、どの状態から予防が必要になるでしょうか。炎症が起きてからか、起きる手前にスキンケアとして予防を始めるのか、もしくは最初から既往歴があったり体調が思わしくなかったりということで予防を行うのか、その目安を教えてください。
    予防的という点に関しましてはご質問にありましたように既往歴などは非常に重要だと思います。糖尿病を患っている、何か長期的に抗生剤を使っている、免疫抑制剤を使っているといった方々は皮膚への影響はかなり出てきますので、やはりそういった皮膚に直結してくるような基礎疾患をお持ちの方に関しましては、最初から予防的なスキンケアをした方が良いと思います。
    それから高齢の方は皮膚へのバリア機能がきちんと整っていないので、高齢者の方に関しましてもやはり最初から予防的なスキンケアをされていくということが必要だと思います。

    今日はストーマケアについて焦点を当ててお話していますけれども、どの施設でもそうだと思いますが、高齢者の方々が多い施設になってくるとやはり皮膚に優しい洗浄剤を使う、その後保湿剤を加えていく、つまり全身にも保湿剤を塗り全身のバリア機能を上手く調整出来るような形にして、損傷が起きたとしても皮膚がある程度守られる状態を保っていくことが必要かと思います。