新人看護職員研修の1番の良さは、新しい手技を行う際に技術動画を短い時間で視聴して臨めることです。
Q1:協立総合病院看護部の特色についてお話ください。
協立総合病院は地域に根ざした基幹病院として二次救急の機能を持っている総合病院ですが、「みなと医療生活協同組合」の法人内には介護老人保健施設や高齢者住宅、複数の診療所や訪問看護/介護のサービスなどがあり、地域の病診連携システムの要となる病院です。 一方で年間3000台もの救急車を受け入れているため、我々看護師は地域包括ケアとクリティカルな患者さんの両方を看護することができる、ジェネラリスト看護師の育成が必要とされています。
Q2: 当社の新人看護職員研修を導入された背景を教えてください。
まずはクリニカルラダー別研修の導入から始まったのですが、これまで他社のeラーニングを使っていたものの、あまり活用されていないという状況でした。そんな折に日本看護協会の看護実践能力習熟段階(以降「ラダー」)が刷新され、ほぼ時期を等しくしてS-QUEのクリニカルラダー別研修がリリースされたので、最先端のシステムに則った看護を学べるということで切替えをしました。また、新人看護職員研修については、他社のeラーニングにオプションで技術動画を追加すると料金がかなり高くなってしまったのに、S-QUEの新人看護職員研修には技術動画や手順、ポケットマニュアルがあらかじめセットとなっているところが費用面と内容の充実度の面でとても素晴らしいと思いました。
Q3:導入してから、どんな風に運用されていますか? 工夫されていることはありますか?
今までのeラーニングがあまり活用されていなかったことも加えて、ちょうど切り替えのタイミングで自分が教育担当課長になったので、まずは2025年から院内教育体制をラダーに則ってしっかりやっていくと看護部内に周知しました。 個人で視聴するeラーニングなどでは、自分が得意な分野、好きな領域ばかり選んでしまう傾向があるので、ラダーの方はジェネラリストの看護師として必要な法律や倫理なども必須項目として学ぶようにしています。 新人の全員には、コミュニケーション、安全管理、接遇等の必須視聴項目をいくつか設定しています。そして、それぞれの実地指導者と新人が相談しながら、自部署で必要な学ぶ項目を選択して視聴してもらうようにしています。 今一番注力しているのが学習の管理で、「まなびの履歴書」というExcelの管理表を全看護職員個々に作成し、eラーニングの項目をニーズ別にどんなカリキュラムがあるか作成し、視聴に応じてチェックを入れて目標に向けて計画的に学習していけるようにしています。一覧でポイント制となっているため、年度末に慌てて駆け足でまとめ視聴をすることもなく、自分に何が足りていないか可視化できます。また、こちらは教育担当者だけではなく、自部署の課長との面談時にも活用しており、学びの方向性や学びの内容などについてアドバイスをもらえるシステムにしています。年度末に成果が出ることを期待しています。
Q4: 導入の効果は出ていらっしゃいますか?
新人看護職員研修の1番の良さは、新しい手技を行う際に技術動画を短い時間で視聴して臨めることです。当日いきなり指示があっても、見やすいようにまとまった動画を予習してから臨むことが可能です。もちろん全部ひとりで実施するわけではないですが、学習してから目前で看護技術を手伝うといったことでも、視覚でイメージできているのはかなり効果があります。 また、ポケットブックを全ての新人看護職員が個々で使用できるというのもとてもありがたいです。こういった教育コンテンツが整っているということは、就職説明会や就職ガイダンスでも案内ができ、向学心のある熱心な看護師の採用に繋がると考えています。