当院独自のオリジナル動画を追加し、全職員がIDを持って多職種で広く活用しています。
Q1: 多根総合病院の看護部について教えてください
大阪市内の病院としては平均年齢が30代前半と若いスタッフが多いこともあり、ワークライフバランスを大事にしています。急性期病院で毎年9000台近い救急車受け入れ数ではありますが、休みの日数をしっかり確保し、新人から看護部長まで年に1回は9連休を全員取れるように推奨しています。また、残務に関しても、仕事は次に引き継ぐ習慣がついているため、年間の時間外勤務が30分/人に満たない結果となっています。
院内教育については、長くS-QUE院内研修1000&特定行為研修を使っていたので、今はクリニカルラダー別研修を中心にeラーニングが整備されています。他に、全ての職員が、1人年間7万円の教育研修費を使える制度が整備されています。外部のセミナー参加はもちろん、学会参加やその経費に充当するなど、継続学習を実践しやすい土壌ができています。
Q2: 新人看護職員研修を使ってみようと考えたきっかけは?
これまでは看護手順のマニュアルを教育担当の実地指導者が作成していて、毎年少しずつ変わる中で修正がとても大変でした。専門家が作成し標準化された看護手順を採用することによって、教育担当者の負担がかなり減りました。S-QUEの手順動画があるものはそちらに切り替えています。診療介助の看護手順はS-QUEにないため既存の紙の看護手順も存在しますが、誰でもどこでも動画やポケットブックで学べ、いつも最新の知識を得られるメリットが大きかったです。
実際には動画で使用している医療材料などは当院と違う物品を使っている場合もありますが、「標準化された動画である」ということを念頭においており、あまり気にしていません。
Q3: 活用方法などお聞かせください。
基本的に研修は反転授業を実施しているため、事前課題としてS-QUEのeラーニングを使用しています。また、30名余の新人と2年目の職員にはポケットブックをひとり1冊渡していつでも確認できるようにしています。
「新人看護職員研修」にはオプションでオリジナルの動画を追加できる機能があるので有効活用しています。
これまで他社のシステムで当院独自の動画を別に見ていたので、ログインを一元化することで学習しやすくなりました。既存の新人看護職員研修のeラーニングに含まれていない内容について院内独自の動画を作成し、IVナースのコース(静脈注射、輸液管理などからレベルがステップアップして化学療法まで学べるようになっている)や、医療安全、感染管理などの施設基準に係る病院全体で見る研修や、他職種のための技術研修の動画なども、このシステムに入れています。
職員全員がIDを持ち、技術研修と医療安全は勤務時間内に見ていることもあり、定着しています。
新人だけでなく全員がIDを持っていることもあり、例えば手術室の看護師が普段慣れない看護技術の動画を見るなど、活用しています。
当院独自のオリジナル動画を追加し、全職員がIDを持って多職種で広く活用しています。