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Eナース

S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第18回 疼痛マネジメントとケアの実際 [応用]

聖路加国際病院 がん看護専門看護師
高橋 美賀子

ライブ研修 12月21日(水)/ オンデマンド研修 12月26日(月)〜1月16日(月)

がん疼痛は進行がん患者の約2/3に生じるとされ、最も頻度の高い症状です。がん疼痛は身体的にも精神的にも激しい苦痛を伴うため、患者および家族のQOLを著しく低下させます。しかし、がん疼痛は適切にマネジメントすればほとんどが緩和ができます。看護師は、患者の最も近くに寄り添うことのできる医療専門職であり、疼痛マネジメントにおいて重要な役割を担っています。看護師が他職種と協働して、的確なアセスメントと患者に寄り添ったケアを実施することで、疼痛マネジメントに多大な貢献をすることができるはずです。ぜひ確かな知識とアセスメント能力を高めて、痛みに苦しむ患者、家族のために力を合わせて疼痛マネジメントに取り組みましょう。

発信会場:発信会場:聖路加看護大学 看護実践開発研究センター(東京都中央区)

第18回 疼痛マネジメントとケアの実際 [応用]

質疑応答

  • ペインスケールがうまく使えない患者さんの場合、どのようにアセスメントしたらよいでしょうか?
    講義中にご紹介したペインスケールは0~10のスケールでしたが、他にも痛みの強さが「軽度」~「中等度」~「強度」という簡易表現スケールがありますので、そういったより簡便なスケールを使っていただいてもよいと思います。最近では認知障害のある患者さんなどにフェイススケールを使う方法なども研究されていますので、試みていただいても良いかと思います。 また、どうしてもスケールの使用自体が難しい患者さんの場合、痛みがあるかないかだけでも確認していただけると、それだけでも十分に対応できると思います。痛みがあるというのであれば、鎮痛薬を積極的に使ってみることができると思います。どうしても発語そのものができない場合などは、苦痛表情があればレスキューを使ってみて、苦痛表情が取れたかどうか確認していただければと思います。中には痛みがあるかないかわからないのに苦痛表情だけでレスキューの薬を使って良いのかと心配される方もいらっしゃると思いますが、1回のレスキューを使っただけで呼吸が止まったりするようなことはありませんので、使ってみてそれが効果があるかどうか確認していただければと思います。
  • 患者の訴えがはっきりしない場合、レスキューを使用してもよいでしょうか?
    先のご質問で痛みを訴えられない人にもレスキューを使ってみて下さいとお話しましたが、痛みの訴えのはっきりしない方にもレスキューを使ってみて、効果を見ていくというのも1つです。中には「全身が痛い」という訴えをされる方もいますが、全身全てが痛いということはありえませんので、一番痛いところはどこですか? その次に痛いところはどこですか? という形で聞いていただくと、明確に痛みがアセスメントできてきますので、そういった形で痛みのアセスメントを進めていただければと思います。 あと、痛みの訴えのはっきりしない方の中には、心の面での影響が強く関わっている場合がありますので、トータルペインの観点で心の面でのアセスメントをしていただければと思います。