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Eナース
S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修
第1回 エビデンスに基づいた感染管理の知識とスキル
日本看護協会常任理事
洪 愛子
ライブ研修 4月7日(水)/ オンデマンド研修 4月12日(月)〜5月3日(月)
医療を受ける患者にとって、目的とする治療や看護を受ける過程において、医療事故や院内感染は期待しない事象であり、その発生を予防することに医療従事者は最大の努力をはらわなければならない。 患者に対する感染予防はもちろん自らを守る感染対策を理解し、日常のケアに常に応用していただくことを本研修プログラムの目標とする。いくつかの方法からひとつの手技を選択する際に、根拠となる考え方をあわせて理解することがスキルの習得につながる。
発信会場:発信会場:東京衛生病院(東京都杉並区)
質疑応答
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- 喉頭鏡のブレードの消毒について、これはクリティカルとセミクリティカルのどちらに分類するべきか教えて下さい。文献によって違いがありまして、時々悩んでおります。
- 講義中「対象の使用目的別分類」についてお話しましたが、クリティカルというのは皮膚や粘膜を穿通、もしくは生体の無菌域に接触する器材です。喉頭鏡は無菌域に接触するものではないですから、どちらかに分類するとセミクリティカルになります。ただ、セミクリティカルの器材であっても、消毒よりは滅菌の方が簡便にできるということが多いですので、喉頭鏡の場合はむしろ薬剤を使って消毒するよりは、セミクリティカルではあるのですが、クリティカルと同等の扱いをして滅菌処理した方が扱いやすいのではないかと思います。
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- スタンダードプリコーションの範囲がかなり広がって、ちょっと全体をつかめなくなった気もするのですが、せっかくインフルエンザ予防などで一般の方々にもスタンダードプリコーションが定着してきたので、病院で特に中でもここには力を入れて欲しいという項目があったら教えて下さい。
- 手指衛生、これが1番重要だと思います。新型インフルエンザに関連して、飛沫感染や空気感染する疾患にマスクはもちろん有効ですが、共通して有効なのはやはり手指衛生です。飛沫感染する病原体についても手指衛生が有効な感染対策ですので、ここをしっかり実施していただくこと。それから必要時自分自身の粘膜を守るということのために、マスクを着用するなど適切な防護用具を使う。手袋の使用も感染の有無にかかわらず、すべての患者の採血や血管確保には着用していただきたいと思います。スタンダードプリコーションの範囲が広がった背景として、考え方の初期には医療従事者の身を守るための感染対策が主体だったのですが、医療従事者の安全の視点だけではなく、患者さんの安全をもっと配慮して考えなければいけないということがあり、咳エチケット、安全な注射手技、腰椎穿刺処置でのフェイスマスクなどが追加されました。自分自身の身を守るということも大事ですが、患者さんを守るためにもスタンダードプリコーションを徹底していただきたいと思います。
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- 各医療施設でサーベイランスの対象が変わっても良いのではないかと思うのですが、サーベイランスでいくつかの対象を選ぶ際にはどのようなポイントを考えたらよろしいのでしょうか。
- サーベイランスはやってみるまでは、なかなか難しく考えられがちです。例えば手術部位感染サーベイランスがすぐにできるかというと、方法を一から学ぶことが必要になります。どの施設でも耐性菌サーベイランスを実施していらっしゃると思います。場合によってはMRSAといった耐性菌だけではなくてクロストリジウム・デフィシルとかノロウィルス感染胃腸炎といった感染症についてもサーベイランスをされていらっしゃると思います。身近な問題から始めていただき、さらに現場で、例えば外科系病棟で手術後に感染症が多いなどと気づきがあった時などをきっかけとして、何が問題か、課題はどこにあるのかということと、その課題に対して改善策をどのように取っていくべきかという視点でサーベイランスを始めていただくのも1つではないかと思います。まずはできるところ、耐性菌からでも良いですし、場合によっては「針刺し」サーベイランスでも構いませんが、次の段階で手術部位感染、あるいは血流感染や尿路感染といったように、気になる感染症や気がつかれたところからしていただければよいかと思います。
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