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Eナース
S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修
第10回 看護必要度(2) 看護必要度データの読み方、使い方
京都大学医学部附属病院副看護部長
秋山 智弥
ライブ研修 8月20日(水)/ オンデマンド研修 8月22日(金)〜9月5日(金)
平成20年度診療報酬改定によって、患者ごとの毎日の看護必要度評価は、いまや急性期病院の常識となった。看護必要度は操作的定義と厳格なルールに基づいて評価されるため、適切な研修を受けた者が正しく評価を行う限りにおいて、データの信頼性は担保される。それ故に、看護必要度データは看護の質を評価する上で非常に有効なデータといえる。本講義では、スタッフナースから看護管理者まで、看護師がこのデータをどのように集め、どのように読み、どのように活かすかについて、配置管理や質評価の事例をもとに解説する。
発信会場:発信会場:京都大学医学部付属病院(京都市左京区)
質疑応答
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- 配置管理、算定看護師数などについて教えて下さい。
自院ではこれまでハイケアユニットの評価票を使っておりますが、16項目の一般病棟等もあるということで、これからはそちらを使った方がよいのでしょうか?
また、Ver4だと40項目全てを使うメリットはあるのでしょうか。3つの違いなどをもう少し詳しく教えていただけたらと思います。 - 項目数28項目を使っていた病棟が16項目に落とす必要があるかということですが、項目数を下げるということは写真に例えれば解像度の低いカメラで写すようなもので、典型的な患者像についてはある程度映し出されるとは思いますが、特殊な患者さんの状態だと、細かい違いまでは映し出せないと思います。項目数が多ければ多いほど患者像は鮮明に映し出されます。項目数の違いによって、少なければ、患者分類の精度が下がり、それによって算定看護師数の精度も下がるだろうと考えています。逆に、項目数が多ければ、よりきめ細やかな算定が可能になるのではないかと考えています。40項目を使った場合の算定看護師数と、28項目の場合の数と、どういう病棟ではどちらが実態に近い値が出るか、まだ検証の途中ですので一概には言えませんが、今までたくさんつけて来られてきたのであれば、減らさずに28項目で続けた方が良いと思います。
講義の中でもお話しましたが、京大病院でもはじめは、配置管理に28項目しか使っていなかったのですが、10分間以上の指導とか、意志決定支援などの項目も評価対象にして欲しいと、現場の方から要望があって、それまでつけてなかった5項目を追加して33項目の評価を開始した経緯があります。
看護必要度のデータは、必ずしも配置管理だけに使うものではなく、指導しているとか意志決定支援をしているとか、そういう実施された看護のプロセスを反映するデータを取ることも重要だと考えています。
- 配置管理、算定看護師数などについて教えて下さい。
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- 評価者は今配置をしていて看護必要度を評価していますが、なかなか人材に限りがあります。データ管理のための専属の方はいた方が良いのでしょうか。
- 一昨年までは、私自身がリサーチ担当の看護師長として、看護管理に関わる様々なデータの管理をしておりました。現在は、その後任に、副看護師長を1名、データ管理担当のナースとして専属で管理室においています。もちろん看護必要度のデータ管理だけが業務ではないですが、主として看護必要度データの管理をやっています。評価者教育と記録監査については、別に、看護必要度担当の看護師長がおります。病床数の多い大きな病院ですので、専属でなければデータ管理は難しいと思います。
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- 7:1を入れたり、回復期リハビリというのも出たということで、診療報酬をよく見ると看護必要度が散りばめられています。ひとことメッセージがあれば。
- 元々は、京大病院も診療報酬をきっかけとして、配置管理のために看護必要度を取り入れたのですが、せっかく取ったデータをどのように活かすかを考えた時に、質管理のために使わない手はないということに気づきました。毎日これだけ同じ評価方法に沿って取られているデータというのは他にありません。評価の定義が決まっていて、全国どこでも看護必要度という同じ尺度で同じ取り方で評価されているわけですから、病棟間でも比較できるし、他の病院とも比較することができます。これまでこんなデータはありませんでしたから、これを活かして研究に用い、看護の質を上げるために使えるのではないかと思います。全国で盛んに役立てていかれるように願っています。
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