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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修
第7回 看護師が行う早期離床のためのリハビリテーションの知識と技術
兵庫医療大学大学院医療科学研究科長 教授
玉木 彰 氏
リハビリテーション STAGE1〜2
ライブ研修 7月1日(水)/ オンデマンド研修 7月1日(水)〜8月3日(月)
早期離床は現在の医療の中では当たり前のようになっていますが、未だ多くの施設で、特別な理由もなく臥床を強いられている患者がいるのではないでしょうか?
安静臥床が必要な時期はあるものの、その状態が続けば呼吸・循環機能だけでなく、全身の筋力低下をはじめとした様々な問題が生じ、患者の回復を遅らせることになります。したがって、患者の病態が許す限り可及的早期から離床を進めることが重要ですが、単に患者を起こせばいいというものではなく、早期離床を進めるための客観的な基準や判断が必要になります。
本講義では、臥床が身体機能に与える影響や早期離床のためのリハビリテーションに関する基本的な知識を解説します。
発信会場:発信会場:ときわ病院(兵庫県三木市)
質疑応答
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- モビライゼーションの主な効果の中で、6分間歩行の改善とありますが、6分間が評価基準となっているのはなぜでしょうか。
- これはモビライゼーションとして早期に起こした方に6分間歩かせるという意味ではなく、早くから歩かせるようなことをすると、その後歩けるようになった時に、早期からしていなかった方に比べて歩ける距離が全然違ってきますといった意味です。 早期離床を進めている人となかなか勧められなかった人を1年後2年後、5年後と長期的に見ていてもやはり歩ける距離が全く違います。離床するということは講義の中でも説明したように急性的な効果を狙う意味もありますが、究極的には患者さんの生活の予後的な部分で、数年後にその患者さんがどのような生活が出来ているかを考えながら早期から介入してくださいという意識が現在支流となってきています。 以前は早期に介入するということはその時の良い状態を叶えられれば、早期に退院出来れば、早期にICUを出られれば、などのアウトカムが主流で、そういうことが出来れば良いと言われていましたが今はそれだけではなく、1年後どうしていますか、2年後どうしていますか、5年後どうしていますか、ということまで追って早期から行った人は行ってない人と比べるとその効果がいい状態ですといったことが示されるようになってきました。ですから私たちは患者さんの長期的予後を想定しながら介入することが必要かと思っています。
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- ICUにおける電気刺激ですが、効果的な筋力トレーニング方法として電気刺激の種類はどの様なものがありますか。また、急性期ということもあるので刺激部位としては遅筋より速筋を優先させることになりますか、または質量の多い筋を優先させておこなうことが重要になるのでしょうか。
- 電気刺激ですが、私たちが使っているものは低周波領域です。筋肉をある程度収縮させるために一番良いのは20Hzぐらいの周波数になりますが、いきなり20Hzで行うとかなり筋肉を強く収縮させるために、患者さんを驚かせてしまったり違和感を感じさせる可能性がありますので、最初は4Hz程度の軽い収縮が起こる程度の刺激から始め、最終的には20Hzと段階的に上げていくという使い方をしています。 電気刺激を使うメリットは、速筋繊維を刺激させることができることですが、やはり自分で動かず運動とは違いがあります。寝ている方の筋力トレーニングというのはその方の協力がなければ難しいですし、思ったほどの収縮力を得るには非常に努力が必要となりますので、他動的に筋肉を収縮させることができれば患者さんの負担も軽減できるという意味で近年多く使われています。 そのように刺激をすることは呼吸循環系に影響がないのかといったスタディ(研究)もかなり行われておりまして、例えば心臓に関しては実際にカテーテルを入れて変化を見る研究がありますが、特に大きな問題はないことが示されています。筋肉を収縮させるためにはそれなりの栄養が身体行き渡っていないと意味がありませんが、そういった栄養管理が行われてなおかつ、全身の浮腫があると電気が通りませんのでそういった方以外であれば安全に効果的に行えるということで電気刺激は積極的に行われています。
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