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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第16回 外来化学療法と副作用対策

JCHO九州病院 がん化学療法看護認定看護師
友田恭子 氏

がん看護 STAGE2〜4

ライブ研修 11月18日(水)/ オンデマンド研修 11月24日(火)〜12月22日(火)

化学療法の進歩に伴い、生存期間の延長が得られるようになり、治療が長期化するようになりました。そして、患者のQOLを維持するためにも外来治療が広く行われるようになりました。外来治療の継続ためには、患者自身がセルフケアを実施し、自分でからだの状態を管理する必要があり、看護師は患者がセルフケアを実践できるよう支援する重要な役割を担っています。外来化学療法での副作用対策を学び、患者のセルフケア支援に役立てる一助になればと考えます。

発信会場:発信会場:済生会二日市病院(福岡県筑紫野市)

第16回 外来化学療法と副作用対策

質疑応答

  • 化学療法を多職種で恊働しながら治療過程にある患者様の精神支援、副作用対策で治療を継続していく中で、当院ではスタッフ間の情報共有の仕方がまだ定着しておりません。その点で工夫されていること、共有の仕方を教えて頂きたいと思います。
    情報共有ということですけれども、当院の外来化学療法室には薬剤師が常駐しているわけではありません。薬剤師は主にミキシングの方で関わっており、なかなか化学療法室の方には来て頂けないのですけれども、オリエンテーションの時には必ず来て頂いて、そこで得た情報についてコミュニケーションを取ったりしています。また日々の中では頻度は少ないのですけれども、外来化学療法カンファレンスというものを二週間に一度行っておりまして、薬剤師、医師、看護師が集まって話し合いをしていますので、その場で情報共有をしています。
  • 患者さんが主体となって実行できるセルフケアアプローチのポイントの中で、タイミングを見極めるということついて、具体的に教えて頂ければと思います。
    やはり患者さんが心の準備ができているということが必要だと思います。特に最初に医師から治療が必要ですと言われた時点での初回のオリエンテーションの時には、頭の中が真っ白な状態で来られている患者さんもいらっしゃいます。手術だけで済んだと思ったのに抗がん剤の治療もということで、こちらの言うことが聞こえないという場合もあります。そういう時は、歯の治療をしてきてくださいね、感染予防が大切ですから手荒いうがいをしっかりしていきましょう、と最低限の注意点からし、徐々に落ち着いて来た頃に少しずつ話を進めていき、患者さんがどういう反応を示すかを見ながら話をしていっています。

    原則、当院では初回治療は入院でして下さいとお願いしているのですけれども、なかなかそういう訳にはいかず、特に外科の患者様に対しましては外来で治療を始めることが多いのが実情です。やはりそういう患者様は準備ができていないところがありますので、まず視覚的な情報をお渡しして医師の説明や薬剤師の説明を聞いて頂いて、どういうところが心配かお聞きして、返って来た返事から入っていくという話の仕方をしています。
  • 現在化学療法で穿刺など行う際のサーフロ針の推奨は21ゲージから23ゲージと聞いているのですが、当院では20ゲージで穿刺をしています。輸液ポンプなども使っているため大きい針を選択しているようなのですが、血管を痛めないためには22ゲージなどを使用するよう言われているのですけれども、輸液ポンプ使用時など、その辺がよく分からないのでよろしくお願いいたします。
    当院の外来化学療法室では、24ゲージを使ってます。やはり繰り返して治療をしているので血管が細かったり脆弱になっていたりしていて、やはり太い針を刺されますと患者様も苦痛に感じますし、私達も不安なのでどうしても細い針を選んでいます。その中でも血管炎がかなりひどく出てくるような薬剤に関しては、具体的に言いますとナベルビンですけれども、ナベルビンは急速投与しないと、漏出しなくてもそれに似た徴候が出たりしますので、急速投与ができるようになるべく太い針で行いますがそれでも22ゲージを使っています。
    針の太さに関しましては、やはり血管に合った太さの針を選択することが大切だと思います。

    輸液ポンプにつきましては、押し込むものですのでできるだけ使わない方がよいかと思います。ただ、病棟で治療管理を行う時には使わないのはなかなか難しく、当院でも病棟では輸液ポンプを多く使っております。輸液ポンプを使うことでどういったリスクがあるのかということをしっかり知った上で、きちんと観察をするということが大切になってきます。

    ポンプではなく、商品名で言いますとドリップアイなど自動滴下装置ですとクレンメが自動的に開閉するような機械で、それは押し込まないものなので外来化学療法室ではそういったものを使って正確に投与できるようにしております。ゲージの選び方はこのようにしております。
  • 当院の外来でもキサラプラチンなどを使用しており、血管痛などがあるので温めたりしているのですが、講義の中で説明がありましたアニメックの方が有効でしょうか。当院の外来では全体的に上肢を温めているのですがその辺のところを教えて頂ければと思います。
    ある程度の効果はあるかとは思われるのですが、私の知り合いの施設で調査した結果ではあまり変わらなかったと聞いています。そんなに大きく効果がありますとは言い切れないです。ですから高価な機械を買わないとならないというわけではございません。施設によってはすごく工夫をしていて、腕を温めるだけではなくソフトアンカを使い、腕だけではなくルートも温めているところもあります。

    あとは事前に肩に使い捨てカイロを貼って来られて、ずっと治療中も貼ったままにしているという患者さんのことを聞きまして、すごく効果があったということで当院でも真似して行ってみたことはあるのですが、効果にはやはり個人差があり、すべての人に完全に痛みがなくなるということはありませんでした。