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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修
第12回 高齢者のEnd of Life Care
慶成会青梅慶友病院 看護介護開発室長/老人看護専門看護師
桑田 美代子 氏
ライブ研修 9月18日(水)/ オンデマンド研修 9月24日(火)〜10月22日(火)
わが国の65歳以上の高齢者人口は平成23年23.3%、平成47年には3人に一人が高齢者となる時代が来る。つまり、多死社会を迎えているのである。急性期の医療機関であっても多くが高齢入院患者である。本研修会では、人生の最晩年、どう生き、どう逝くのか。尊厳の保持とは何か、日々繰り返し丁寧に行なわれるケアの価値など、"老い"の延長線上の死について考えたい。そして、それは決して他人事ではなく、自分自身の"老い"と"死"についても問われていることでもある。
発信会場:発信会場:脳血管研究所 美原記念病院(群馬県伊勢崎市)
■ 第12回研修レジュメを準備しました。ご契約施設担当者の方は、事務局からのメールに記載のページよりPDF資料をダウンロードして下さい。
質疑応答
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- 神経難病の患者様に多く携わらせて頂いている看護師です。患者様の症状がどんどん進行していくなかでこれから必要になると思われるケアですとか、食事の方法ですとか、呼吸のことに関して医師やリハビリのスタッフを含めご家族、ご本人へお話させて頂く機会があるのですけれども、ご家族、ご本人になかなか私達の伝えたいことが伝わらないという現状があります。先生でしたらどのように対応されるか教えて頂ければと思います。
- 神経難病の方は本当に難しいと思っています。神経難病の緩和ケアやend of life careということをもっと現場の人たちも考える必要があると思っています。その理由は、当院にも60歳代の神経難病の方が入院されてくるのですが、ご覚悟されて入院されてくる方もいらっしゃいます。その時にご本人よりも医療従事者側が揺れるからです。ですから相手の方がどういったような状況で今に至って入院してきているのかということに、もう1回目を向けるということと、ご家族もなかなか受け入れがたいのだということを、私達がもう1回良く認識し考えなければならないと思います。皆さん達は日々の日常かもしれませんけれども、相手の方たちは素人であって初めてその状況にいるのだ、相手の方は一般の方であって、この状況を受け入れることはなかなか難しいのだという立ち位置に立ち返ることも大事かなと思っています。自分達はちゃんと説明しているつもりであっても、案外、難しい専門用語でご説明していたり、ご家族の背景や理解度ということを意識しないで皆同じようにご説明していることはないでしょうか? もう1回そのことを考えてください。相手の方に応じて合意を得るようなインフォームドコンセントをし、その中で皆個々にLife、これまでの生活、人生が違うのだということを念頭に、説明したから終わりというのではないようにお話しましょう。医療従事者としての最善を提示したそのことを受け入れてもらえなかったならば、相手の方はこれまでの生活、自分自身の価値観に応じて返答をしていますので、それに寄り添い、共に考えるということを是非一度して頂けないかなと思います。それで、どのような形で相手の方の考えが変わっていったのかという体験を教えてもらいたいです。そのことを1施設ばかりではなくいろんな施設の方たちで共有していって、どうやったら神経難病の方たちの意思決定を支えることに繋がるのか、私たちも相手の意思の合意をしていけるのかということを考えた方がいいのではと思います。
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- 私も神経難病の病棟で患者様に携わっている看護師です。まだ意思伝達が出来る患者様なのですけれども、意思伝達装置を通じてご自身の今の不安な気持ち、死にたいという家族に見せない気持ちを何枚も打ってきたのを読ませていただきました。私がそれまでケアを行ってきたのですけれども、そのとき固まってしまって言葉が出なかったのです。先生であったらその方の不安や苦痛を取り除くためにどのような対応をされたでしょうか。どのような声かけをするべきだったか教えてください。
- その患者さんはあなたを信頼されたからこそ、それを見せたのだと思います。そのとき、安易な言葉掛けはその方にとってうれしいでしょうか? 沈黙こそが分かりあえることってないでしょうか。多分その患者さんは沈黙の中でも分かりあえた。自分の気持ちを受け止めてもらえたと感じていると思います。決して言語的コミュニケーションばかりが良いわけではありません。沈黙こそ真実ということがありますし、沈黙の中で語り合っているということはないでしょうか。このような状況の中、「こういった言葉掛けが安心です」とか、「○○がいいです」なんていうことはないです。患者さんは何か特別な言葉かけをしてほしいわけではなく、「看護師さんが自分の思いを分かってくれた」ということが一番、気持ちが救われることだと思います。私はその患者さんがあなたにその書きとめていた文章を見せて、今の気持ちを打ち明けてくれたことが素晴らしいと思います。日々のケアが大切とお話しをしましたが、それこそ、あなたが行う日々のケアがあってこそ、患者さんは"この看護師さんにわかってほしい"と思っていたのでしょう。おそらくその患者さんは、自分の思いを受け止めてもらってとても安心したことでしょう。そして、あなたは今、その患者さんからパワーをもらったと感じていないでしょうか。私達はケアを通し、患者さんから贈り物を頂いています。その思いを違う形で他の患者さんにお返しすることが大事かと思います。
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