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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修
第12回 看護ケアに生かす感染防止技術
日本看護協会 看護研修学校
雨宮 みち
ライブ研修 9月19日(水)/ オンデマンド研修 9月24日(月)〜10月22日(月)
医療を受ける患者にとって、目的とする治療、処置、検査、看護を受ける過程において、感染を起こしてしまうことは期待しない事であり、医療従事者は最大限の努力をはらい、その予防に努めなければならない。
本研修では、患者に対してはもちろん、医療従事者自身の感染を予防するための感染予防策の基本とそれを実践することによる効果を理解し、日常ケアにおける感染予防策の実践につなげていただくことを目標とする。
発信会場:発信会場:国立障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)
■ 第12回研修レジュメを準備しました。ご契約施設担当者の方は、事務局からのメールに記載のページよりPDF資料をダウンロードして下さい。
質疑応答
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- 抗菌性石けんと非抗菌性石けんはどのように使い分ければよいのでしょうか?
- 医療現場における手指衛生のためのCDCガイドライン: Guideline for Hand Hygiene in Health-care Settings Centers for Disease Control and Prevention 2003 の「用語の定義」および「手指衛生製品について」をご参考ください。 http://med.saraya.com/gakujutsu/guideline/pdf/h_hygiene_cdc.pdf のp7、p16-33をご参考ください。
このガイドラインで使われる言葉の定義
手指衛生Hand hygiene:手洗い、手洗い消毒、擦式手指消毒、手術時手指消毒のいずれかに当てはまる一般用語
手洗いHandwashing:非抗菌性石鹸(プレーンソープ)と流水で手指を洗浄すること
手指消毒Hand antisepsis:手洗い消毒又は擦式手指消毒のいずれか
手洗い消毒Antiseptic handwash:石鹸や他の消毒薬含有の製剤と流水で手指を洗浄すること
擦式手指消毒Antiseptic hand rub:手の常在菌数を低減させるために擦式手指消毒薬を手指のくまなく適応すること
擦式消毒用アルコール製剤Alcohol-based hand rub:アルコール含有製剤で、手に生存する可能セのある微生物の数を少なくするために、手に塗布するよう考案されたもの。60~75%のエタノールもしくはイソプロパノールを含有するのが通例
抗菌性石鹸Antimicrobial soap :消毒薬を含有する石鹸(洗剤)
プレーンソープPlain soap :抗菌性製剤を含まないか単に防腐剤程度の効果しかない低濃度の抗菌製剤を含む製剤
非抗菌石鹸はいわゆる普通の石けんのことです。普通石けんと流水による手洗いにより、手あか、汚れ、有機物、ゆるく付着した通過菌を取り除くことができます。しかし、普通石けんによる手洗いでは病原体を十分除去することはできない、またこの手洗いによる細菌数の増加させることもある。これは手洗いによって皮脂がとれ、皮膚常在菌が表面に出てくるためと考えられます。
医療従事者に求められるのは手指消毒であり、医療従事者の手の細菌数をできるだけ少なくするため、衛生学的手洗い、つまり抗菌石鹸と流水による手洗い、またはアルコール製剤による擦拭消毒が必要になります。特に清潔操作の前には徹底が必要です。しかし、アルコールでは手の汚れは取れません。手が目にみえて汚れている場合は流水と抗菌性せっけんによる手洗いが必要です。普通石けんと流水による手洗いを行った場合は、手を十分乾燥させた後でアルコール製剤による擦拭消毒をします。乾燥不十分な手にアルコール製剤を使用してもアルコール濃度が下がり、効果的ではありませんので注意が必要です。
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- 抗尿路カテーテル挿入中で尿検査のためポートから採尿する場合、当院ではポートをアルコール消毒し注射器をつけるよう指導されたのですが、この方法が適切か教えてください。
- その方法で適切です。
カテーテル関連尿路感染予防のためのCDCガイドライン2009
Guideline for Prevention of Catheter-Associated Urinary Tract Infections,2009 において以下のような推奨事項があります。
3.尿路カテーテルの適切なメンテナンス
A.尿路カテーテルの無菌挿入後には、その閉鎖式排尿システムを維持する。(カテゴリーⅠB)
1.無菌操作の失敗、接続の理弾や漏れが生じた場合、滅菌器具を用いた無菌操作によりカテーテルと採尿システムを交換する。(カテゴリーⅠB)
2.カテーテルと導尿チューブの連結部が予め接続・密閉された尿路カテーテルシステムの使用を検討する。(カテゴリーⅡ)
検体採取
U.尿検体は無菌的に採取する。
1.検査(尿検査または培養)で少量の申請ン尿が必要な場合、ニードルレスの検体採取のための採尿ポート(サンプリングポート)を清拭消毒後、滅菌済みのシリンジあるいはカニューレ・アダプターを用いて尿を採尿ポート(サンプリングポート)から吸引する。
2.(培養ではなく)特別な検査のために大量の尿が必要な場合は、採尿バッグから無菌的に採取する。
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- バイタルチェック前後の手指消毒の必要性を言われるので行っていますが、アルコールによる手荒れがひどく困っています。
- アルコール過敏症であるならば、アルコールは使えないので手指衛生の方法を、衛生学的手洗い(スクラブ剤と流水による手洗い)に変える必要があります。ただ、この方法はアルコール製剤の擦拭消毒よりさらに手荒れしますので、より一層ハンドケアが必要です。
アルコール過敏症ではないが手が荒れるという場合、手荒れ防止のために手の保湿に心がけることが一番です。業務の合間にハンドローションの使用をお勧めします。最近はよい製品が出ています。組織から提供されていない場合は、感染担当者などを通じてハンドローションの設置を要望してみてはいかがでしょうか。また、業務終了時には流水と石けんで十分に手洗いし、よく乾燥させてからハンドクリームを使用しましょう。就寝前にはハンドクリームを付けた後、綿手袋や絹手袋をして休むとよいです。(これは私の経験です。)皮膚科から軟膏が処方されている場合はそれを使用してください。
手荒れ防止のために以下がポイントです。
石けんと流水で手を洗った後は十分にすすぎ、乾燥させること。
ペーパータオルで水分を拭くときは、こすらず叩くようにすること。
保湿ローションを使用し手の保湿をすること。
*下記もご参考ください。
Guideline for Hand Hygiene in Health-care Settings Centers for Disease Control and Prevention 2003
http://med.saraya.com/gakujutsu/guideline/pdf/h_hygiene_cdc.pdf p30-33
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