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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第8回 急変患者への対応と心肺蘇生(2)

吉田学園医療歯科専門学校救命救急学科専任教員
三上 剛人

ライブ研修 7月16日(水)/ オンデマンド研修 7月18日(金)〜8月8日(金)

患者急変はいつどこで起こるかわからず、その場に居合わせたらパニックになって、普段の冷静さを欠いてしまう事があります。そこで、急変時はまず冷静に的確に対応することが必要です。混乱する急変場面で必要なのは、難しい知識ではなく、今やるべき事です。ここでは、標準的なBLS(Basic Life Support)だけではなく、急変時に何が必要なのかを考え、心肺停止に至る前に患者さんをアセスメントする思考過程をシンプルにまとめていきます。

(1つのテーマで7月2日と7月16日の2回に分けて細かに学びます)

発信会場:発信会場:倉敷成人病センター(岡山県倉敷市)

第8回 急変患者への対応と心肺蘇生(2)

質疑応答

  • 組織の低酸素を最小限にすることが最大の目標なのですが、術後の患者さんでSpO2がだいたい94~95%維持するように医師から指示がありますが、急変時のSpO2の目標値を90~92%に保つように酸素投与するようにというのはどうしてなのか、教えて下さい。
    それ以上に保たれればそれに超したことはないのですが、何とか90%以上を維持しましょうという数字で、それでPO2が60以上はあるようにしていこうというのが、ここでの考え方です。それだけ上がれば問題はないのですが、上がらない場合でもせめて92くらい、PO2にすると60以上にすれば、何とか低酸素を予防できる数字だというふうに考えてもらえれば良いと思います。
  • 90以下になると解離曲線が急激に下がるので、PO2を60以下に下がらないようにキープという考え方でよろしいのですね。
    そのとおりです。
  • ガイドライン2000の初回ショックが単相性のショックの場合360ジュールでとのことですが、二相性のショックの場合は何ジュールくらいですか?
    二相性のショックは120~200と言われていますので、その範囲内で行って下さい。
  • 静脈投与について、第一選択は中性中静脈となっていると思いますが、ルートがどうしてもキープできない場合の選択としては気管内投与と骨髄内投与があると思うのですが、骨髄内投与の場合も静脈注と同じで生食20%で後押しして挙上というのでよろしいでしょうか。
    骨髄内投与症例がそんなに多くなく、ほとんど静脈で取れている状況ですので、骨髄内投与を静脈穿刺よりも選択するということはあまり経験がないのでお答えができません。
  • 院内急変でCPAになったケースがあります。背板を準備しようと思いましたが、これは最近使用していないと言われましたが、どうなのでしょう。
    最近は褥瘡の予防でエアマットを使う場合が多く、エアを抜くバルブがあり、かんたんに空気を抜けて堅くなりますので、その場合背板がいらないという意味ではないでしょうか。
    柔らかいベッドでは下に沈んでしまうことになりますので、基本的には背板を使用します。
  • 体内にペースメーカーなどの器械が埋め込まれている患者が心肺停止した場合の蘇生方法はどのようにしたらよいのでしょうか。胸骨圧迫をしてもよいのでしょうか。
    しなければ循環が保たれていないのですから、行う必要があります。
  • 急変時に使用する薬剤の効果を知りたいです。
    薬剤は非常に広い問題ですが、代表的なものとしてアドレナリンがありまして、反応する方が多く、アルゴリズムで3分~5分で繰り返して投与というガイドラインが出ていますが、2~3分で脈拍のリズムに効果が出る経験がおおくあります。
  • 今回のシミュレーションではモニタを使うことが多かったですが、実際にモニタを使えない場合など、脈をとり、聴診器で聴くなど、五感を使ったフィジカルアセスメントが基本と考えてよろしいでしょうか。
    シナリオ上モニタがある設定でしたが、ABCが保たれていれば、余裕をもってフィジカルアセスメントを行う必要があります。