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Eナース

S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第2回 エビデンスに基づいた感染管理の知識とスキル

社団法人日本看護協会認定部 部長
洪 愛子

ライブ研修 4月22日(水)/ オンデマンド研修 4月27日(月)〜5月18日(月)

医療を受ける患者にとって、目的とする治療や看護を受ける過程において、医療事故や院内感染は期待しない事象であり、その発生を予防することに医療従事者は最大の努力をはらわなければならない。自らを守ると同時に患者を感染から守る対策を理解し、日常の看護ケアに応用していただくことを本研修プログラムの目標とする。いくつかの方法からひとつの手技を選択する際に、根拠となる考え方をあわせて理解することがスキルの習得につながる。

発信会場:発信会場:新葛飾病院(東京都葛飾区)

第2回 エビデンスに基づいた感染管理の知識とスキル

質疑応答

  • 手術室での針刺し事故が多いのですが、どのように対策をとると良いでしょうか。
    術中の器具受け渡しにおいて、同時に同じ鋭利な器具を2人の人が触ることにより針刺し切創がおきます。ハンズフリー法という方法で術者と看護師の間に中間ゾーンを設けて一旦そこに鋭利器材を置き、手渡しではなく中間ゾーンから器材をピックアップするというのが一番望ましいです。しかし、顕微鏡手術が増え、いちいち視野を顕微鏡から外して器具を取るということは訓練を必要とします。また、手術でも急変の事態などでハンズフリー法ができない場合もあると思います。その場合の方法としては声を掛け合うことが大事です。ハンズフリー法、あるいは手渡しをする場合は声を掛け合っていただくことを基本にしていただいたり、あるいは皮膚縫合する際に鈍針という先が尖っていない針を使用するなどといった方法もありますので、鋭利器材を代替可能な安全装置付き器材を導入することも検討いただければ良いと思います。
  • 保育室では普段手洗い時の手ふきをペーパータオルではなく個人のタオル(毎日洗って持参)を使用していますが、やはりタオルよりもペーパータオルが良いのでしょうか? 保育室のような場所でも流水とせっけんを使用するよりもアルコール手指消毒が望ましいのでしょうか?
    個人のタオルは日常的な生活においては、一般使用して問題はありません。しかしながら、医療施設での仕事の場においては、頻回の手洗いで使用すると湿ったまま繰り返し使用することになり、湿ったタオルが汚染する可能性があり、衛生的ではありません。ペーパータオルが望ましいといえます。また、保育室でも第一選択はアルコール手指消毒です。手指衛生の必要な場面は保育室でも多く、適切な手指衛生を確実に実施する上で、また手荒れを予防するためにアルコール手指消毒が第一選択となります。例えばアルコール手指消毒を避けたい場面があるのか、流水とせっけんによる手洗いを第一選択にしたい場面がどのような場合か(たとえば授乳時やおむつ交換時など)、具体的に職場の皆さんで検討しては如何でしょうか。
  • 血液培養時の針交換中止により、針刺し事故が減少したとありましたが、私の勤める病棟では針を交換しています。いつからどのような理由でそうなったのか、方法も含めて詳しく教えてください。
    (1) 血液培養の際は針交換は必要ないという認識で良いのでしょうか
    (2) それにより血培採取後はそのままの針で培養容器に刺して良いということなのですか?
    血液培養時の針交換を廃止することで、針交換による針刺しは予防できます。血液培養時は針交換の必要はありません。採取した針で容器に注入するとよいでしょう。針交換は血液培養検体を適切に取り扱うために、採取した際の皮膚からの汚染微生物の検出を避ける目的で実施していたのだと思いますが、皮膚の常在菌混入をさけるために穿刺部位を広範囲にアルコール綿でふき取りした後、70%アルコールまたはポピドンヨード消毒液で確実に消毒し、消毒液が乾燥するのを待って採血します。さらに異なる採血部位から2セットの採血を実施して、血液培養を2検体採取する方法が望ましいとされています。検体容器の刺入栓も同様に消毒液が乾燥していることを確認して、消毒液が混入することも避けます。