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Eナース
S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修
第22回 脳損傷における摂食・嚥下障害のアセスメントとアプローチ
東名厚木病院看護部主事
小山 珠美
ライブ研修 2月17日(水)/ オンデマンド研修 2月22日(月)〜3月15日(月)
口から食べることは生命活動や生活行動を豊かにする日常生活行動である。脳に損傷を受けると、運動麻痺、感覚障害、高次脳機能障害、摂食・嚥下障害などをきたしやすい。摂食・嚥下障害者への看護は、脳神経系を含めた病態との関連、摂食・嚥下機能、全身状態、口腔、呼吸、栄養、高次脳、姿勢、動作、心理など心身の複合したアセスメントとケアが必要である。セルフケア拡大に向けて、安全で良好な機能を引き出せるような食事援助のスキルや、関係者の連携やチームアプローチについても言及する。
発信会場:発信会場:平塚共済病院(神奈川県平塚市)
質疑応答
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- 摂食のアプローチについて質問があります。患者さんが覚醒不良な場合はどのようにしたらよいでしょうか。
- 覚醒不良の状況にもよると思うのですが、意識障害なのか、刺激が少なくて覚醒不良なのかをまず見ていただきたいと思います。重力に抗した姿勢をしないと目が覚めませんので、全身状態に問題がなければできるだけ離床をすすめます。重力に抗した姿勢で座位に近い状態をとって耐久力を高めて、抗重力筋へのアプローチをしていきます。また、口の中の知覚、味覚が脳の覚醒を非常に活発にしますから、口腔ケアや、口腔内の冷圧刺激、味覚の刺激をしていただけると良いかと思います。私たちは覚醒不良の場合には、できるだけ体を起こし、離床時間を増やしていって耐久力を高めます。その上で、言語で聴覚を刺激し、味覚、視覚といった特殊感覚を使って脳への刺激を高めていくことが大事です。
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- 以前先生の摂食嚥下チームの勉強会に参加させていただいたことがあるのですが、そこでは多くの職種がとてもうまく連携してコミュニケーションを取りながらアプローチされているのを感動いたしました。そういうチームを作っていくのに一朝一夕では出来上がらないとは思いますが、どういったところから始めればそういうチームが作れるかというのを伺いたいです。また、先生の病院ではチームでどんな活動をしていらっしゃるか教えていただきたいと思います。
- なかなか難しいですね。1つはリーダーシップだと思います。私自身は4年目になりますが、年の功で強気ですので、この人はやってくれそうだと思う方に、どんどんアプローチをかけていきます。そして一緒にやりましょう、お願いしますと言って、仲間を1人2人と増やしていきます。たくさんの仲間を同時に作ることは難しいので、まず1人2人3人、できれば多職種で増やしていくのが理想です。ぜひ今日この場に来られている看護師の仲間を増やしていただければありがたいと思います。もう1つは、実際の食事場面に皆さんで集合するということですね。現場を見ずして何も方向性は見えてきませんので、口腔ケアの場面でもリハビリの場面でも良いですが、みんなの中で一番共通してわかることは摂食の場面です。ですので、お昼にみんなで集合することを心がけました。当院では休憩時間をずらしながら、昼食時間はリハ科ほぼ全員が集合します。そのことでカンファレンスをしたり、症例検討会をします。それぞれが自分の目で見ていることは共通言語となりますので、実際の場面を見ていただいて、仲間を1人2人3人と増やしていくことがポイントかと思います。
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- 現場ではどうしてもマンパワーが不足していますが、介助に時間がかかる場合が多々あります。そのような場合はどうしたら良いでしょうか。
- それは当院でも悩むところです。患者さんにどのような食事の提供をしていくか、チームなり病院なりでの大きなコスチームというものが必要です。食べるために人は必要なのですが、人がいない中で食べさせるということはかえって危険です。私が気をつけているのは、とにかく食事の場面ではたくさんの人が必要だから、先ほどお話ししたように、まずはお昼ご飯からはじめるということです。看護師も他のリハ科のスタッフも栄養士さんもできるだけ来て下さいということで、お昼ご飯から開始をします。朝晩のマンパワーが少ないときは決して看護は無理をしないでください。時間をずらして、例えば8時の朝食を9時に持ってくるとか、夕方6時からの食事を5時からにして、1~2人日勤帯の方が残ってやる、1食から2食にする、時間帯をずらすなどの対応をします。管理者の方にお願いしたいのが、どの人(患者さん)にどれくらいの時間がかかって、総合的に看護の業務量としてはどうなのかということを、しっかりとマネジメントしていただきたいと思います。そうしないとスタッフだけが頑張ってやっても疲労困憊を来してしまい、危険になります。部署内でどうしてもできない、今日だけは患者さんが増えて、人がいなくて対応できないといった短期的な事情の場合は、ぜひ看護部にSOSを出してください。その上で、他部署にも応援を頼むといった管理的なマネジメントも必要だと思います。そして人が足りないということをぜひ話題にしていただき、どういう風にしてマンパワーを補っていくかを考えていかなければいけないと思います。
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