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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第24回 看護診断(記録)について

山口大学大学院医学系研究科教授 日本看護診断学会理事
山勢 博彰

ライブ研修 3月17日(水)/ オンデマンド研修 3月23日(火)〜4月13日(火)

適切な看護診断をするためには、対象の情報収集からアセスメントに至る過程をしっかりおこなうことが大事です。対象を理解しないまま看護診断を安易に付けてしまうことは、医学診断でいえば誤診です。今回の研修では、看護診断のプロセスについて紹介し、安易な診断にならないための考え方とその実際について解説します。

発信会場:発信会場:山口大学小串キャンパス(山口県宇部市)

第24回 看護診断(記録)について

質疑応答

  • 講義の最初の方でNANDA看護診断のお話がありましたが、看護診断のアセスメントの枠組みとしては、NANDAの13の分類を用いるべきでしょうか。
    NANDAインターナショナルの13分類を使ってのアセスメントの枠組が便利なのは確かです。しかし、NANDAインターナショナルは決してそれを推奨しているわけではありません。NANDAインターナショナルでは、一般的に認められた看護のアセスメントの枠組みを使えばそれで良いということを言っています。例えばゴードンの機能的健康パターンであるとか、看護成果分類とか、理論モデルを用いた看護のアセスメントの枠組みとか、そういった一般的に使われている方法を使えば良いということで、決してその13の領域を使いなさいとは言っていません。しかし、13の領域そのものはゴードンの機能的健康パターンから出てきたもので、大変類似していますので、臨床でゴードンの機能的健康パターンの分類を使うのは、非常にやりやすいとは思います。
  • 臨床では共同問題を使うと非常に問題点が上がりやすく、スタッフ全員で問題を共有し、情報として多く得られるのが実情ですが、共同問題というのはあまり使わない方が良いのでしょうか。
    私自身の考えでは共同問題を使わない方が良いとは決して思っていません。使えるケースや使える場面では使っていただいても良いと思います。ただし、講義の最後の方でお話したように、共同問題というのは原因となる根拠がはっきり記述されているわけではありませんし、看護介入の方向性が見えませんし、合併症をモニターする以外に看護が何をすれば良いかがよく見えてきません。なので、デメリットがあると知っての上でそれを使ってください。例えば情報があまりない状態で急性期の患者さんを受け持った時には、やはり疾患から診ていって、合併症をまず防ぎ、悪化するのを予防するという優先順位が高くなります。そういった場合では疾患から診ていく共同問題というのは非常に便利で使えます。ですから、そういった領域とか、患者さんの情報として急性期でなかなか生活背景が見えない場合など、共同問題が有用に使える場合もあります。しかし、先ほどお話したように様々なデメリットもあるので、使い方を分けていく必要があります。冒頭で少しお話しましたが、新しい診断レベルで、医学診断に非常に近いものも出てきております。そういった診断を使っていけば、もしかしたら将来的には共同問題を使用しなくても、全て看護診断で、患者さんの健康上の問題を表現できるという時代がやってくるかもしれません。それに期待したいと思います。