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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第9回 患者の心理を知ると看護が変わる

りんくう総合医療センター
北村 愛子

ライブ研修 8月4日(水)/ オンデマンド研修 8月9日(月)〜8月30日(月)

疾病と治療が複雑になる医療の中で、患者と家族の心理を理解し、身体的・精神的・社会的に調和して人権を保ち支援することの重要さをお伝えします。患者‐医療者のパートナーシップを形成しながらケアを展開することで得られる充実感は、ヒューマンケアリングに基づく看護実践をもたらすきっかけとなります。本講演では、患者の心理を理解するという観点を、倫理的側面からもとらえ、医療者と患者家族がともに向き合う大切さや困難さ、またその中で実践するための仕組みを考えるきっかけとなるよう学習を進めたいと思います。

発信会場:発信会場:りんくう総合医療センター 市立泉佐野病院(大阪府泉佐野市)

第9回 患者の心理を知ると看護が変わる

質疑応答

  • 医師ときちんと話をして良い看護をどうにかしていきたいと思っているのですが、現状では医師も忙しくて話をする時間を取れないということで、対立とまではいかなくても、なかなかチームが思うことができなかったり、少し時間がかかってしまうことが多々あります。コンフリクトという関係になったらwin-winの関係ができると良いというのが本には書いてあるのですが、どうしてもそういう風に思いを持って行けません。医師が忙しいことを踏まえて患者さんに対して良いように持って行けるか、自分自身どのように心の持ちようでいたらよいのか、アドバイスをいただけるかと思います。
    おそらく、タイトルが「患者の心理を知ると看護が変わる」とあった時、看護を変えるのに患者の心理を知ることが大事なのに、先に医師とのやりとりがうまくいかなくてどうしようもないと受け止めたならば、医師の心理を知ればあなたの何かが変わるのではないでしょうか。自分の心のありようをどうやって変えたら良いかということだと思います。そのため、コンフリクトという言葉に対しては、医師の心理を知ると看護が変わるという気持ちまでには、たぶんならないというご意見だと思います。少なくとも医師や医師を含めた医療スタッフのストレスとか、今日のことをもし応用して考えるならば、なぜその言葉を発しているのかとか、私自身に対してどんなストレスがかかってこのことを思っているのかとか、そんなところまで相手の心や自分の心を振り返ることによって、真に迫ることができたら、チームワークは少しでも良い方向にいくだろうし、そのことが大前提となって「患者さんの心を知る」ということに関して専心できると思います。自分たち自身が対立心を持っていたら、患者さんの心を知るだけの余裕はやってこないと思いますので、心のありようとしては同じく応用していただき、医師と私たちとの関係の中に何のストレスが入り込んでいてそのことを言っているのか、またその価値はそれぞれどんな風に異なっていて、こんな意見を相手は言っているのか考えてみます。医師をケアする責任はありませんがケアの達人として、少なくとも自分がコミュニケーションを取っている対象者の気持ちを、何を考えているのか、なぜそうなるのかなど、滑り込んで行かなければ良い関係づくりはできないし、それができてはじめて患者さんの心を聞く時に、チームで接点を取っていけるような組織となると思います。今日は述べていませんでしたが、医師と私たちの関係づくりは大前提ですね。そんなことをしないで患者さんの心を知って看護が変わると思っていたらいけないと思います。お互いに認めるという行為を前提に、認められることが少ないなあと思うとき、なぜそうなるのか問題解決の努力を少ししてみて、相手のストレスを緩和する、そこから入ってみてはどうかと思います。