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Eナース
S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修
第2回 これだけは押さえよう!薬剤の基礎知識
東京逓信病院薬剤部副薬剤部長 薬学博士
大谷 道輝
ライブ研修 4月20日(水)/ オンデマンド研修 4月25日(月)〜5月16日(月)
看護師は薬に触れる機会が多く、ヒアリハットでは薬の与薬が第一位になっています。この原因として、看護師は薬理学を中心に勉強してきたことが考えられます。薬理学は薬が作用点でどの様に働くかを学ぶ学問です。一方、臨床現場ではモルヒネを例にとると、注射剤、錠剤、カプセル剤、散剤、液剤、坐剤など多くの剤形があります。これらの剤形では作用部位まで到達する割合や時間が大きく異なります。即ち、同じ投与量でも効果、作用発現時間、作用持続時間、副作用が異なってきます。そこで、今回はこの薬の『剤形』についてお話をしたいと思います。
発信会場:発信会場:榊原記念病院(東京都府中市)
質疑応答
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- 薬の事故を減らすポイントは何かありますか?
- 1番はとにかく薬剤師を使ってください、ということです。最近は病棟にもいますので、勉強会をしてもらっても良いでしょうし、わからないことがあったらすぐ相談してください。 一番多いヒヤリハットは与薬忘れです。これはあまり大した事故ではありません。ですからその病院のヒヤリハットを分析して、とても大事な「患者間違え」などハイリスクなものから注意をしていくのが良いのではないかと思います。
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- 講義中アダラートカプセルの舌下投与は無意味だというお話がありましたが、患者さんによっては剤形を崩して使わなければならない場合があります。例えば錠剤を崩して水に溶かして経鼻から投与するなどあるかと思いますが、そういった際の注意点などアドバイスお願いします。
- 錠剤の中には崩しても良い錠剤もありますし、崩してはいけない錠剤もあります。また、崩して時間が経つと湿気てしまって管を通らないものもありますので、何でも崩すのではなく、まずは薬剤師に相談してみてください。これは大丈夫、これはだめ、あるいはフレンチサイズを大きくしなければならないなど、適切なアドバイスをしてくれると思いますので、剤形を変えるときはそのように質問してみると良いと思います。
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- 循環器の病院ですのでテープ剤を貼ることも多いのですが、例えば患者さんがすごく汗をかいてしまってテープが剥がれてしまうことがあります。そういった時に貼り直すべきなのか、注意点があれば教えて下さい。
- テープ剤は汗をかくと実際あまり吸収されません。フェンタニルのテープなど汗をかくと密着度によって吸収が落ちます。できれば汗をかいて剥がれてしまったら新しいものにするのが一番良いです。汗をかきにくい部位に貼っていただくと、なお良いと思います。また、暖かい場所だと汗もかきますし、吸収も増加してしまいますので、暖房機の前に近づかないとか電気毛布を使用しないとか、そういった注意も必要かと思います。
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- 牛乳で薬は飲んではいけないと言っていましたが、小児の薬はアイスクリームに混ぜても可と言ってましたが、同じ乳製品なのにどう違うのか教えて下さい。
- 牛乳で飲んではいけないと説明した抗菌剤はニューキノロン剤です。このニューキノロン剤は小児への適用はないため、小児ではアイスクリームで混ぜて特に問題となる薬がありません。ただし、今後も全ての薬で大丈夫とは限りません。できれば、薬剤師に相談するように患児の保護者に伝えるとよいでしょう。また、ミルクに混ぜて飲ませると、ミルクを嫌いになることがあるので避けてください。
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