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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修
第16回 リンパ浮腫ケア ─リンパ浮腫予防指導における看護実践─
千葉大学大学院看護学研究科成人看護学教育研究分野 准教授
増島 麻里子
ライブ研修 11月16日(水)/ オンデマンド研修 11月21日(月)〜12月12日(月)
リンパ浮腫ケアは、日本の看護においてまだ新しい領域です。近年はリンパ浮腫専門の外来や治療施設が増えてきましたが、リンパ浮腫が生じる前に行う予防指導はとても大切であり、看護師が役割を発揮することになります。今回は、リンパ浮腫指導管理料の加算要件やリンパ浮腫の病態生理を概説し、患者がリンパ浮腫の予防行動を生活の中で無理なく継続でき、患者と共にリンパ浮腫を早期発見する看護実践についてお話しします。
発信会場:会場:千葉労災病院(千葉県市原市)
質疑応答
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- 乳腺外科では術後に腋窩郭清をされた方にはリンパ浮腫予防指導をしていますが、センチネルリンパ節生検の患者さんには「ごく少ない割合でリンパ浮腫が起こる可能性があります」という説明に留めていて、日常生活での予防については具体的な指導をしていません。少しでも可能性があるならば今後行おうと思いますが、その際に郭清をした患者さんと同じ注意事項を説明することで良いのか、アドバイスがありましたらよろしくお願いします。
- センチネルリンパ節生検の方へ指導する内容も、基本的には腋窩郭清の患者さんと同じと考えていただければ良いと思います。ただ、ここでセンチネルの方に強調しておきたいのは、発症頻度が腋窩郭清の方と比べて全然違うのですよと伝えておくことです。実際に経験したことですが、センチネル生検をした方が、自分はいつむくみが出始めるのだろうと常に心配して怖い思いをされていたので、センチネルの場合は頻度が少ないことを強調してお伝えした方が良いと思います。
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- 婦人科病棟で術後の下肢を重点的に観察する期間が1年くらいとのことでしたが、当院では広汎全摘した患者さんに、予防の意味も込めて医療用(メディ)の圧の弱いストッキングを履いていただいています。広汎全摘後、入院中に下肢のリンパ浮腫がみられたりすることがあるので、日常生活に戻って仕事に出たりする時など履きましょうと説明しています。ただ、夏はすごく辛くてなかなか習慣にできないということがあり、それでもむくんでしまった方にはそれでもやっていきましょうと言えるのですが、その時点で浮腫が出ていない方には中止してしまって良いのか、ちょっと頑張ってやっていこうと励ますべきか、迷っています。患者さんのQOLを考えた時にどうすれば良いかアドバイスをお願いします。
- これについても考え方がすごく分かれるところです。弾性着衣をしていれば浮腫が予防できるかというと、それも難しいのではないか、逆に圧の強いものを使用して浮腫が悪化してしまうという考え方もあります。ただ、下肢の方に関しては、日常生活では立っていることが長いため重力の関係で、リンパがうっ滞しやすいこともあり、上肢の方よりもむくみやすいです。ですから術後からそういうストッキングをご紹介している施設も多くあります。是非については現在エビデンスがないのが現状で「こうである」というのが難しいのですが、ご紹介している低圧のストッキングというのがリンパ浮腫用のライト圧のストッキングということですので、その患者さんが使ってみて楽になったという感覚があれば、その圧が丁度よい圧迫になっていて、リンパの流れを助けていると考えていきます。浮腫が発症していない時期であれば、特に夏は大変ですし、患者さんには取りにくい行動です。ですので、夏は不快なら外していきましょう、でも冬の間着用してみて楽だった感覚が、外すことによって夏にだるくなるような感じが多くなったとか、そういうことが出てきたら、「あなたの身体にはストッキングを履いていたことが良かったようですね」と継続していくのが良いと思います。
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- 医療用ストッキングを外す時期について質問ですが、人によって圧が弱くなる市販のものに替えるなど、そういった形で対応するのは良いのでしょうか。
- 医療用のストッキングの低圧のものは16~20mmHgくらいからですが、低圧の医療用でない一般的に売っているもので代用するのもありだと思います。普通女性が履いているストッキングの圧はだいたい10mmHgくらいです。市販のサポートタイプのものだと15mmHgくらいになってきますので、医療用の低圧のものがちょっと強めと思われたら、市販のサポートタイプなどに替えても良いと思います。
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