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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第19回 事例から学ぶ(インシデント・アクシデント)安全管理ケア

武蔵野赤十字病院 医療安全推進室専従リスクマネジャー
杉山 良子

ライブ研修 1月6日(金)/ オンデマンド研修 1月12日(木)〜2月2日(木)

事例を学ぶとは、事例を分析することである。事例を分析する意味は、インシデントやアクシデントの発生をもたらした要因を見つけることであるが、それらが現実にインシデントやアクシデントの原因または重要なリスク因子となっていることを事実データーに基づいて示すことである。それにより、日常業務の改善に着手するための意思決定を促し、関係する医療スタッフのコンセンサスを形成するという安全管理である。事故事例の患者身体影響度レべルを踏まえて、事例分析から改善への道筋を示す。安全と質改善はひとつのものとして統合的に行う必要があることを概説する。

発信会場:発信会場:永寿総合病院(東京都台東区)

第19回 事例から学ぶ(インシデント・アクシデント)安全管理ケア

質疑応答

  • インシデント、アクシデントおよび区別と医療事故の関係について教えて下さい
    医療事故は、医療に関わる場所で、医療の全過程において発生するすべての事故をいいます。事故は突然に発生する、良くない出来事のことです。 インシデントとは、日常診療の場で、誤った医療行為などが患者に実施される前に発見されたもの、あるいは誤った医療行為などが実施されたが、結果として患者の身体に影響を及ぼすにいたらなかったものをさします。これに対してアクシデントは、患者の身体に影響を及ぼし、濃厚な治療を要したり、障害となったり、あるいは死に至るものをさします。インシデントとアクシデントは、このように患者に及ぼした身体的影響の程度で分けられます。インシデントとアクシデントの両方を含めて医療事故と称しています。 但し、日本では、まだ医療安全の用語の定義が統一されていないことに留意する必要があります。
  • 事故の要因という意味をもっと詳しく説明してください
    要因は結果に対する言葉です。事故は結果ですから、その事故の発生をもたらした複数の因子が要因となります。要因と原因は同じように受けとめられますが、原因というとこれのみ、これしかない、これが一番というイメージになるので、そうではなく複数あって、それも様々と言う意味をこめて要因とすることが適切と思われます。この要因にも、直接要因、間接要因、とか、背後要因、潜在要因などの枕言葉がつきます。背後とか潜在というのは、まだ目には見えていない要因のことを言います。すなわち、背後や水面下に潜在していて、一生懸命見ようとしなければ見えない要因を指します。事故という結果に至ることとなった要因はなにか、まだ目には見えていないけれども存在している要因をみつけること、これが事例分析の要因です。