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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修
第6回 病態理解とフィジカルアセスメント [応用]
杏林大学医学部付属病院 看護部長
道又 元裕
ライブ研修 6月20日(水)/ オンデマンド研修 6月25日(月)〜7月23日(月)
フィジカルアセスメントとは患者を観察し、可能ならばインタビューによって健康歴の主観的情報を聞き、観察と科学的な検査、さらにフィジカルイグザミネーション(身体診査)を行い、これらの情報を統合して、患者の健康問題について評価することです。そのためには、意図的に目的を持ったインタビューの技術や精度の高い検査方法、正しい診査技術が基本となります。そのうえで、データの意味づけを関連づけ、統合したりする専門的知識と洞察力による判断、評価が必要となります。さらには経験の積み重ねによって洗練された技術や知識も大きなちからとなるのです。フィジカルアセスメントの精度を高めるためには、正常と異常とを区別するための解剖生理、疾病、病態などに関する基本的知識を得るための幅広い学習と診査の結果が有益となるための技術訓練を重ねることなしではできません。 前回の基礎編からさらに深めた内容で応用編として学んでいきます。
発信会場:発信会場:公立昭和病院(東京都小平市)
■ 第6回研修レジュメを準備しました。ご契約施設担当者の方は、事務局からのメールに記載のページよりPDF資料をダウンロードして下さい。
質疑応答
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- 肺の虚脱が長い期間あると再拡張性肺水腫になるとありましたが、もう少しわかりやすいメカニズムと対応(看護的)など教えてください。
- 再拡張性肺水腫(Re expansion pulmonary edema)は胸水・気胸・血胸に対し胸腔ドレナージを行った際に虚脱していた肺の再膨張が急激に惹起し、肺血流の再灌流が生じるとともに、種々の炎症性ケミカルメディエータが産生されます。虚血後に再灌流が起こると、虚血している組織に組織を傷害する活性酸素や種々の炎症反応を引き起こすサイトカインをはじめとした種々のメディエータが産生されます。その結果、血管内皮細胞の間隙が開大し、血管透過性亢進が生じ、肺水腫になってしまいます。 再拡張性肺水腫は虚脱期間が長いほど、虚脱率が高いほど発生しやすいと言われています。これは、虚脱時の虚脱肺の血流障害の時間と範囲によって血管内皮あるいは基底膜の障害の程度が強くなるからだと考えます。また、肺水腫の程度は、胸腔ドレーンからの陰圧の有無ではなく、再拡張した肺の量と拡張するまでの時間によって決まります。 したがって、肺の再拡張を図る際には、急激な拡張を避けるとともに試行には少なくとも2〜3時間程度は自覚症状をはじめとした呼吸状態、SpO2などのモニタリングを気を抜かず行いましょう。
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- 膠質液と晶質液が細胞外液量に与える影響で7.5%高張含塩液250ml投与すると、どうして図のようになるのか教えてください。
- 生理食塩水のNaCl濃度は約0.9%で体液の浸透圧とほぼ同様なので等張液と呼ばれます。一方、7.5%高張ナトリウム溶液は生理食塩水と比べると8.33倍(約8倍)の浸透圧があります。高張液は浸透圧が高いので細胞内から細胞外へ水の移動を起こします。 つまり、7.5%ナトリウム溶液の浸透圧は0.9%生理食塩水の約8倍なので、250ml×8=2000mlとなります。ということは、7.5%高張ナトリウム溶液250mlを血管内(血漿)細胞外に投与すると最終的に細胞内から細胞外へ約1750mlの水の移動が起こります。したがって、250mlに1750mlを合わせて2000mlとなります。この2000mlは血管内(血漿)細胞外と組織間細胞外にそれぞれ約1:3の割合で配分され、血管内に500ml, 組織間に1500mlとなるわけです。
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- 頸脈波の視診は臥床時は自然的にもおこるので、異常が判断しずらいと聞いたことがありますが図は臥床してますがどうでしょうか。
- 頸静脈圧亢進の有無を観察、確認、計測する際には、頸静脈の視診と計測は仰臥位でその位置を確認して、その後に上体角度を上昇させて計測します。計測の仕方は配布資料をご確認下さい。 右心房から内頚静脈の「拍動の頂点」までの垂直距離は、直接体表から測定することはできません。したがって、一般的には最初に胸骨角から内頚静脈の拍動の頂点までの垂直距離を測定します。また、基本的には上体角度に関係なく、胸骨角から右心房までの垂直距離は約5㎝なので、胸骨角から内頚静脈の拍動の頂点までの垂直距離を測定した後に、5㎝を加算してそれを内頚静脈圧とします。
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