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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第13回 最新の褥瘡治療と管理の実際

東京大学医学部附属病院
小柳 礼恵

ライブ研修 10月3日(水)/ オンデマンド研修 10月9日(火)〜11月6日(火)

褥瘡ケアと聞くと、褥瘡の治療方法に興味を持つ方が多いかもしれませんが、看護師がすべきケアは、まず褥瘡が発生しないように予防環境を整えることです。褥瘡の予防ケアは褥瘡を悪化予防にもつながります。よい治療ケアが提供されても、予防的な局所環境が整わなければ創の改善は見られません。
本研修では、褥瘡ケアにおけるチームの中で看護師はどのような役割を持ちケアを提供するか、明確にすることを目標とします。また、その際に必要となってくる、具体的な体圧分散ケア、スキンケアについてお話したいと思います。

発信会場:発信会場:西大宮病院(埼玉県さいたま市)

第13回 最新の褥瘡治療と管理の実際

■ 第13回研修レジュメを準備しました。ご契約施設担当者の方は、事務局からのメールに記載のページよりPDF資料をダウンロードして下さい。

質疑応答

  • 洗浄方法のところで、皮膚に余分な圧、摩擦を加えないように洗浄するとありますが、「皮膚に余分な圧」というのはどのような場合の圧を示しているのでしょうか?
    褥瘡周囲は浸出液の付着による浸軟や化学的刺激により脆弱となっています。圧や摩擦を加えると損傷を受けやすくなります。そのため、周囲に付着した軟膏や浸出液は可能であれば泡立てた石けんで汚れをなじませて洗って頂くという方法がいいかと思います。
  • 褥瘡予防のために女性用のストッキングが摩擦予防に良いと聞きましたが、実際の効果はあるのでしょうか。また、男性患者さんに使用する場合、抵抗があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
    女性用ストッキングが褥瘡予防に使用できるといった根拠はありませんし、商品それぞれにより異なるので、効果があるとは言い切れません。
  • 手術の内容によっては除圧具が邪魔したり、過度な体位ローテーションをとることで適切な除圧が難しいことがあります。 さまざまな除圧具が出ていますが、どんなものが良いのでしょうか?良い方法などありましたら教えてください。
    体圧分散に加えて、4点支持台や、ローテーションがある場合はずれが影響しますので、皮膚表面の湿潤や敷物が影響しないようにすることをお勧めいたします。除圧では、ゲルマットより、ウレタン製品の方がずれが少ないと思われます。 使用される前に、スタッフ間で体位を取り体圧測定をすることをお勧めいたします。
  • 洗皮膚の弱い患者さんのドレーンなどのテープ固定や挿管チューブホルダーでの摩擦(スポンジ部分)で表皮剥離を起こしてしまったことがあります。適切な予防方法や処置はありますか?
    予防:貼付前に皮膚被膜剤を使用する。使用していない部分については、保湿ケアをし皮膚を正常にするケアを進めることをお勧めいたします。
  • 腹臥位(4点フレーム使用)手術後、前胸部に水疱形成や発赤(d1レベル)が作られた場合、手術室でやっておくべき処置はありますか?どこまでやっておけば病棟での術後管理に有効なのでしょうか?
    術後に腹臥位を持続して取ることはないと思いますので、基本的には様子観察で良いかと思います。表面の摩擦保護等をするのであれば、保湿剤や摩擦予防のためにソフティー保護オイル(花王)を使用したら良いかと思います。水疱が破れないようにして頂く等の保護をしてください。
  • DTIが多く発生する術中体位はありますか?圧迫時間はどのくらいで発生するものでしょうか。また、予防対策はありますか?
    発生機序から考えますと、筋肉が発達している部位とおもっていただければ良いです。
  • DTIは術後すぐに(麻酔覚醒後)発覚するものでしょうか。術後の評価する期間は1週間を目安にして良いですか?
    数時間から、翌日に発赤が出現する場合がありますので、術中圧迫されていた部位の観察は継続して行ってください。