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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第15回 実践 がん化学療法の基礎 [基礎]

がん研究会有明病院 新薬開発臨床センター 治験コーディネーター
山崎 真澄

ライブ研修 11月7日(水)/ オンデマンド研修 11月12日(月)〜12月10日(月)

現在の化学療法は抗癌剤と分子標的剤の単剤または多剤併用療法が多く行われている。抗癌剤とは細胞殺傷能力のある薬剤であり、分子標的剤とはバイオマーカーに則した薬剤である。それらの薬剤の、基礎となるべき特性(作用機序や薬剤特性)を学ぶことにより、組合せの意味、意義、そして予測される有害事象を理解することを目的とする。また、医療従事者が受けている、被爆に関しても少し述べたいと思う。

発信会場:発信会場:江戸川病院(東京都江戸川区)

第15回 実践 がん化学療法の基礎 [基礎]

■ 第15回研修レジュメを準備しました。ご契約施設担当者の方は、事務局からのメールに記載のページよりPDF資料をダウンロードして下さい。

質疑応答

  • 当院の外来化学療法室では輸液ポンプを使用して実施しています。複数のケモ薬剤を使用している時ですが、1から2に更新する時、時間速度は更新時2の時間で変更しても構わないでしょうか。当院は2更新後10分間は1の速度で経過をみています。いかがでしょうか。
    前は遅い速度だったものが次は速い速度になった時に、薬の点滴速度を急激に早くしてしまって良いのか?という質問だと思うのですが、急激に入れる薬とゆっくり入れる薬と効果が異なるように、薬によって点滴速度は異なります。指示された1の薬剤の点滴速度は30分で投与するけど、2になって急に薬剤の点滴速度が遅く指示されていれば、その指示通りにやってください。患者さんはすごく早ければドキドキするかもしれませんが、そこまでストレスがある点滴速度というのは元々レジメンの中で作られていませんので、指示された速度で良いと思います。
  • 当院ではバイタルサインのチェックをケモ剤ごとに15分後、1時間後と測定しますが、先生の病院では前後以外に測っていますか?
    通常で治療している場合は決められたポイントでバイタルを取っていると思いますが、点滴開始前、後というように逐一にはバイタルを取っていません。ただ、元々既往歴があって心臓に負担がある方ですと気をつけてバイタルを取ったり、体温の急激な低下を見逃してはいけないので、そういう特殊な方の場合は取っておりますが、通常の場合で必ずルーティーンにしているということはありません
  • 代謝拮抗剤の項目で、5-FUのBOLUSの場合と持続で効くところが違うとの話がでましたが、患者さんによってFOLFOXとか2日間持続でやる方と、持続でなくLevofolinateと5-FUでその日1日で終わってしまう方がいらっしゃいます。患者さんによっては2日間、3日間というのが生活上支障を来す場合もありますが、その適用についての違いを教えて下さい。
    薬のレジメンが異なるというのは、ご病気の病態によって異なります。それがadjuvantの場合であったり、再発進行ですと、急速で入れる場合とFOLFOXやFOLFIRIを使い分けたりご病気の状態によってレジメンが選ばれています。それによってそれぞれに実証された効果がありますので、adjuvantの場合こちらの薬なら実証されているけど、FOLFOXやFOLFIRIではまだ実証されていないから、そういう方には使用できないなどの理由があります。 効果が良かろうということはわかっていても、病気による病態によって使い分けがされます。
    おっしゃるとおりにポンプをつけて数日過ごすというのは患者さんにとって負担ですし、もしかしたらご本人が抜去しているかもしれません。そういったことが煩わしいということで、最近5-FUの飲み薬のゼローダやTS-1がFOLFOXのレジメンの中でゼロックス等の名前で置き換わっているのが大きな理由かもしれません。そこは効果が一緒ではないかと言われていますので、将来ポンプの存在がどうなるかわからないですが、治療しすぎのオーバートリートメントになり副作用の割に効果が変わらないことがあれば、短時間の投与だけでも良いかもしれません。そういったように薬やレジメンの使い分けがされています。