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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第21回 [基礎] 新しくなった口腔ケア技術と実践 〜VAPも予防できるPCR

日本大学歯学部 口腔外科教室教授
外木 守雄 氏

ライブ研修 2月5日(水)/ オンデマンド研修 2月10日(月)〜3月10日(月)

口腔ケアを実施するには、機材調達、運用方法の確立などに様々な問題がある。そこで、安価で、容易/安全、有効に口腔ケアを行うために、口腔ケアキットが開発された。
コンセプトは1.患者に優しい、2.施術が容易、3.簡便、4.安全、5.効果がある、6.低価格などであり、運用には単回使用としている。今回、その概要および運用法を説明し、効果判定について解説する。皆様の日常診療のお役に立てれば幸いである。

発信会場:発信会場:葛西昌医会病院(東京都江戸川区)

第21回 [基礎]  新しくなった口腔ケア技術と実践 〜VAPも予防できるPCR

質疑応答

  • 当院でもリステリンを使用しています。含嗽ができることで効果があるという認識でいるのですが、脳神経外科では自分で歯磨きや含嗽ができない方が多く、そのような方に使用をしても効果があるのでしょうか。また使用する場合、原液を薄めても効果はあるのでしょうか。
    リステリンは1,8-シネオール、チモール、サリチル酸メチル、l-メントールの4つの有効成分による殺菌作用を特徴としている消毒薬です。実は19世紀後半から使用され、古典的ではありますが、有効性の高い、口腔消毒薬です。
    皆さんご自分でもお使いになられたことがあると思いますが、原液で使うとピリっとして少し辛いので、薄めるのは構いません。ただどのくらい薄めても細菌に効果があるのかというのは実証できていません。
    口腔ケアで使用するのなら、口腔内細菌のもつバイオフィルムを有効に破壊しなくてはならないので、単純なうがいだけでなく物理的に、擦過することが大切です。原液を、薄めてスワブなどで優しく擦ってあげと良いと思います。
    一旦、口腔内が綺麗になれば、その後は単純な清拭で、十分清掃度を維持できると思います。
    口腔内細菌を適正化するという考えで進めてください。
  • 脳神経外科の患者さんの中には口を開けた状態で過ごしている患者さんが多いので、看護師は乾燥を防ぐように心がけています。通常保湿剤を使用しているのですが、その際、どのぐらいの間隔で塗り直せばよいか、また保湿剤以外でも何か効果的なものはあるかなど、何か予防策はありますでしょうか。
    ずっと開口しているとすぐに乾燥してしまいます。病室で保湿、加湿などを出来ると思いますがネブライザーや加湿カーゼを用いたマスクをすることも効果的です。保湿液は4~5時間に1回ずつを推奨しています。 実際にICUの現場では2時間おき、4時間おき、6時間おきなど、プロトコルがあります。 アメリカのICUで使っている口腔ケアの回数というのは最大2時間おきに施行されています。
    特に口腔内細菌に関しては、口腔ケア後、2~3分で元の状態に戻っているといわれています。かなり強めに消毒をしたとしても1~2時間も維持されません。
    そういう意味で絶えず口腔ケアが必要だということでしたら、回数を増やすことが必要となります。しかし、度が過ぎると、擦過傷を作ってしまうと、保湿薬も塗りすぎるとそれが固まって残ってしまいますので、その患者さんにあった訂正な口腔ケア計画を策定することが大切です。そして可能ならネブライジングとの有効な連携をすることが1つのポイントです。