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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第3回 [基礎] 患者急変とRapid Response 〜ベッドサイドで行うアセスメント

岐阜医療科学大学保健学部看護学科 助教
河合 正成 氏

ライブ研修 5月1日(水)/ オンデマンド研修 5月8日(水)〜6月5日(水)

この講義では院内急変の基礎編として、患者急変を察知するために必要な学習を行います。
キーワードは、『観察』、『報告』、『観察力を伸ばす』の3つです。
『観察』では、観察道具として「自分自身」を用い、「何かおかしい」を発見する ための観察行動を学習します。『報告』では、「何かおかしい」を発見したとき、どのようにすればリーダーナースや医師へ『報告』できるか、についてその方法を学習します。最後に、『観察力を伸ばす』では、観察力を効果的に伸ばす方法を学習します。看護師としての観察力を伸ばすためには、先輩の観察力を学ぶこと、また自分自身の観察の仕方を見直すことが重要です。
この、『観察』、『報告』、『観察力を伸ばす』の3つのキーワードを学習し、Rapid Response いわゆる患者さんを危機的状態へ移行させない基礎的な行動を学習していきます。

発信会場:発信会場:岐阜県総合医療センター(岐阜県岐阜市)

第3回 [基礎] 患者急変とRapid Response 〜ベッドサイドで行うアセスメント

■ 第3回研修レジュメを準備しました。ご契約施設担当者の方は、事務局からのメールに記載のページよりPDF資料をダウンロードして下さい。

質疑応答

  • 先生の講義の中では正常値や異常値などバイタルの数値の変化について触れていませんでしたが、数値よりも身体の状態で捉えることが重要と考えてよろしいのでしょうか。
    実はバイタルサインのデータを意図的に触れなかったのです。アセスメントするには知識や技術で得た「何が異常で何が正常か」ということはとても大事です。「今後の変化を予測する」という意味では、更に知識や技術を学んで、情報から読み取ってアセスメントし、ケアに活かすというのは、特にベテランになってくると求められる部分です。しかし、基礎の段階から数値に囚われてしまって、教科書的に形に当てはめてしまうと、その数字範囲外でないから大丈夫とか、この数字は異常値だから異常だとか、単に数字だけを信頼してしまいます。これは、変化をとらえたのではなく、今をとらえているだけなのですね。つまり、術後の回復過程のように、異常値でも正常に向かっている生体の変化であったりします。その場合は、正常な過程に向かっているのですから、異常とは捉えませんね。また、「これは異常値ではないか」と何度か血圧を測り直してしまうことってありませんか? 本当に、この値かどうか不安になってね。そうすると患者さんの観察にとても時間をかけてしまうことになります。観察や情報に時間をかけすぎてしまって、緊急事態なのに患者さんを更に危険な状態に陥らせることもあるかもしれません。最初にいきなり情報を集めるとしても、数字で集めるのではなく、まずは自分の身体で触れたり、声をかけてみて、「何か変化があるか?」と察し、それから「血圧を測ってみましょうか」と数値としてはどうか観ていくことが大事です。患者さんの発している症状について、自分の五感で異常を察知した情報と数的データを比較し、「やはりおかしい」、「やはり変化があった」と報告していくことが大事です。検温以外に数的データを集めることは、よほど重症でない限り、ケアの前とか後には測定しませんよね。じゃあ、やらなくて良いのかというとそれはダメですよね。どうするかというと、援助者の5感を用いて、状態を観察し、変化をとらえられればいいのです。そういった意味であえて数字の異常値について触れませんでした。
  • 反応がいつもと同じか?というチェックポイントがありますが、急性期で新人が夜勤に入っている時期に、2〜3日自分が受け持ったことがある患者さんだといつもと何かが違うと異常を感じる、ということが察知できるかもしれませんが、初めてとか急に入院してこられた方など、平常な状態を知らない場合はどのように対処すれば良いでしょうか。
    まずは初めて看る患者さんだった場合、今現在、何がよくって何がいけないのか、つまり、生体の反応が正常から逸脱していないか観察する必要があります。逸脱している状態で順に良くなっていくかどうか、もしくは少し状態が悪くなってきている状態であるかはその前と後とで評価すれば良いのですが、今おっしゃったように初めて看るような場合は非常に困ります。そういった時は、この逸脱している状態はこのまま経過観察してよいのかどうか、搬送してきた外来や病棟、主治医などに確認する必要があります。「これ(症状)って、たぶん元々こうなんだろうなあ...」と思ってしまうことが一番ダメで、おかしいなと思ったことは、おかしいと捉えて、本当にそれで良いのか確認する必要があります。入院であれば、入院直後とその後の経過を短い時間間隔で何度かベッドサイドに行って、自身の5感を使った観察を通しながら、時間経過とともに変化はどうなってきているかを観て評価していきます。その患者さんの通常の状態と比較ができない時は、自分自身と比較しても良いです。正常な意識、正常な呼吸、正常な循環、そういったことの違いを判断し、その状態はどうなのかを考える、他の人にも意見を求めるということが大事です。