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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第14回 [応用] ここまで知るべき、心電図モニタリングと病態予測 〜Dr.大島一太の心電図講座<実戦・不整脈編>

東京医科大学八王子医療センター 循環器内科 兼任講師
大島 一太 氏

ライブ研修 10月16日(水)/ オンデマンド研修 10月21日(月)〜11月18日(月)

Dr.大島一太の心電図講座・基礎編に続く、実戦編を開催します。実戦編では不整脈を中心に勉強しましょう。脈拍が速くなる不整脈と脈拍が遅くなる不整脈に分け、臨床の場で遭遇することの多い不整脈をひとつひとつ丁寧に解説し、正常、異常、危険のサインとそのマネージメントを学びます。実際の心臓がどのようになっているか?をイメージしながら心電図を勉強するので、心電図を読み解く力がぐんぐん身につき、臨床の場で即戦力となって役立ちます。

発信会場:発信会場:公立昭和病院(東京都小平市)

第14回 [応用] ここまで知るべき、心電図モニタリングと病態予測 〜Dr.大島一太の心電図講座<実戦・不整脈編>

■ 第14回研修レジュメを準備しました。ご契約施設担当者の方は、事務局からのメールに記載のページよりPDF資料をダウンロードして下さい。

質疑応答

  • 波形を一生懸命勉強してもその患者さん患者さんで出てくるものは違い、モニターを見ながら教科書通りにいかない事が多くて困ってしまう事が多いのですが、その中でもPSVTと1対1の心房粗動、フラッターとパットの違いの見分け方などを教えて下さい。
    頻脈性の不整脈というのは脈拍が150を超えると皆同じ様な不整脈となります。特に幅の狭いQRS波の不整脈というのは皆同じ様な波形になってしまいます。例えば心房細動というのは心拍数が80から100位だと不規則なところが非常に目立ちます。ですが150の頻度になるとその不規則性というのがまるで規則的に出ている様に見えてきたりするのです。その中で発作性上室頻拍というのは電気の興奮がグルグル回って規則性が保たれているのですが、一方で心房細動は不規則性が必ず出てきますので、モニター心電図を長時間記録すると不規則な場所が見つかる事があります。
    もう1つは心房から心室への伝動を一時的にブロックするATPなどの薬で、短時間ブロックすると大体半減期が20秒と言われているので、ブロックしてやると心房の興奮は出るのですが、QRS波が出てこなくなるので、心電図がハッキリ診断出来るようになってきます。QRSが出てこなくなった瞬間、心房が細かく震えてれば心房細動です。
    発作性上室頻拍というのは、かなりの頻度で房室結節を介して電気の興奮がグルグル回っているので、例えばATPやベラパミルなどの薬で房室伝導ブロックすると、多くの発作性上室頻拍は治ります。
    そういった薬を使ってグルグル回る電気の興奮を切ってその不整脈が治れば発作性上室頻拍であり、治らなければ一時的に伝導ブロックされるのでQRST波が出てこなくなりますから、心房の興奮を見る基線のその震えている波形が見られればそれは心房細動だと診断できるのです。
    それに対して心拍数150でQRS波が沢山出てきてしまっていると、心房の情報は隠れて見えなくなってしまいます。診断の為にも一時的に房室伝導ブロックしてやる事によって、そこで出てくる心電図から発作性上室頻拍か心房細動かというような診断というのはある程度可能です。
    しかも発作性上室頻拍だったらかなり薬でそのまま治ってしまいますので、治療も兼ねてそれから診断も出来るという事になります。 心房細動だったら心拍数だけゆっくりなっても基本的には治りませんので、逆にいうと心房細動ならば、その基線のブルブル細かく震える細動波がはっきり見えてくることにより、診断をする事は出来ます。発作性上室頻拍であれば多くの場合はそれらの房室伝動ブロックする薬を使うと、ほとんどの場合は治ります。
    どちらの不整脈にしても、血行動体が乱れて血圧が下がったりするような場合には電気ショックを掛けたりしてまずは早急に治し、ショックの離脱というのが最優先になりますが、少しバイタルが保たれていて診断という事で余裕があるような全身状態であれば、治療を兼ねてそういった診断をする事というのが臨床的だと思います。 心拍数150、あるいは200という幅の狭いQRS波の心電図を見てそれだけで心電図の診断をするっていうのは困難です。 先ほどの様に記録してどこかにその心房の震えをその示す様な細動波が無いか、あるいはどこかにそのRR間隔が少し長くなって心房細動のサインが見えるところがないかとか、そういった記録が診断の助けになる事がります。