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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第20回 臨床に活かせる看護研究 -看護視点から考える看護研究-

大阪府済生会茨木病院手術室看護課長・学術担当教育看護課長
及川 慶浩 氏

ライブ研修 1月22日(水)/ オンデマンド研修 1月27日(月)〜2月24日(月)

臨床看護師に「看護研究」が求められる理由は、臨床の場で生じた看護上の問題に対する「研究的な姿勢」が、看護実践や看護の知識体系の改善に強く結びつくと考えられているからです。また、研究活動を通して得られる「自分の看護を見つめ、科学的に人の健康を考える」という経験は、臨床看護師としてはもちろん、一人の人間としての成長を図る機会を与えてくれます。問題は、これらの効果は看護視点を有する研究からしか得られないという点にあり、看護視点を有しない研究は業務改善として判断されてしまうというところにあります。今回は、「看護視点とはなにか?」を通じて看護研究と業務改善の差について解説させて頂きます。

発信会場:発信会場:熊本総合病院(熊本県八代市)

第20回 臨床に活かせる看護研究 -看護視点から考える看護研究-

質疑応答

  • 当院では年間の教育計画の際に看護研究を予定します。 1〜2年目は“事例検討”というテーマで、それ以上は各病棟“看護研究”というテーマで毎年発表する計画を立てています。 中には“業務改善”というテーマで看護視点が入っていないという内容が多く見受けられるのですが、今後そのようなプログラムを立てる時にどのように伝えたら良いのか。 例えば毎年プログラムの中に「看護研究を必ずしてください」と入れた方が良いのかなど、 教育の立て方などについてアドバイス頂けたらと思います。
    1~2年目の方々はケーススタディをなさるという事で、このケーススタディは色々な病院でも執り行われていますが、ケーススタディの殆どが反省文や謝罪文になっているという、決定的な問題を感じます。殆どが1つの事例、あるいは数例の事例を通して、研究を事例検討として行うのですが、大半が謝る、謝罪する、そういう終わり方が多いのです。 あくまでも一つの事例と看護師の関わりがどうであったのか、それによって患者の健康はどのように変化したのか。そういう事を分析するのがケーススタディです。 しかし、殆どのケーススタディというのは謝罪文であるか反省文であるケースなので、まずケーススタディをさせる前に、必ずケーススタディの目的や仕方を教育する必要があります。 看護研究についてですが、大手の病院ですと毎年全部署が行うという事はせずに、各年で奇数組、偶数病棟であるとか、南病棟と北病棟で分けるなどして行っているケースもあります。これに関しては病院の方針によりますが、私の病院では春スタート組と秋スタート組があり1年間で大体20くらいの研究をやっていきます。ただ、必ず看護研究を始める前に、まず看護研究とは何なのか、そしてどのような事が看護研究として成り立っているのか、更に看護研究の仕方、こういうことを講義した上で行います。 講義などを一貫してできない場合は、各病棟の人達に個別に指導者が対応するような形を取らないと、ただ単に研究を丸投げされてやっているという形になるので、どうやっていいのかが分からない状態で取り組むことになり、出てくる結果を仮に指導者に咎められても、そもそも教えられていない訳なので『できない』という気持ちになってしまうのです。 ですから、ケーススタディも看護研究も始める前に、できれば一堂に集めるか、もしくは個別でも看護研究というものが何であるのか、何が看護研究になるのかを指導してから始めます。 テーマを決めても、そのテーマをすぐにやらせてはいけません。 必ず指導者が3回はヒヤリングをしてその研究が本当に看護研究に成り立つのか、そしてそれを行うことが看護研究の目的に添うのか、そういうことを研究者に十分に知ってもらってからでないと、失敗することになります。