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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第11回 チームで取り組む医療安全対策シリーズ 転倒転落リスクをめぐるインシデント・アクシデント

東京慈恵会医科大学附属病院 医療安全管理部 医療安全推進室 副室長
藤原 喜美子 氏

STAGE1〜4

ライブ研修 9月3日(水)/ オンデマンド研修 9月8日(月)〜10月6日(月)

転倒・転落は、病院・施設において報告されるインシデント・アクシデントレポートの中でも最も多い事故の一つであり、骨折など患者に重要な影響を起こす場合もあります。その結果、手術や長期の入院など患者の身体的、精神的負担だけでなく、医療費の増加など、転倒・転落対策は重要な課題といえます。 本研修では、当院のインシデント・アクシデントレポートの分析から、転倒・転落の要因を確認し、具体的対策について考えるとともに当院での取り組みを紹介します。

発信会場:発信会場:新須磨病院(兵庫県神戸市)

第11回 チームで取り組む医療安全対策シリーズ 転倒転落リスクをめぐるインシデント・アクシデント

質疑応答

  • 当院も転倒、転落アセスメントスコアを点数化し看護計画を立案し実践しています。夜間の頻回に訪室を立案した場合、毎日看護記録に残す必要はありますか? 電子カルテになりいろいろタグを開いて記録したり、数値入力、チェックなど記録に要する時間も多くなっています。
    せっかく立てた看護計画がきちんと実践されているかということにおいては、記録は必要だと思います。頻回に訪室するというような対策を立てることがよくありますが、本当に頻回に行ってるのかどうかという証拠は、やはり記録をつけることです。もし訴訟などになった場合にちゃんと見ていたかということの証拠は記録しかありません。非常に大変だろうと思いますが、計画通りにやった証拠を示す意味では、やはり必要です。ただ、作業としての手間はありますので、チェック式のものとか、簡単にできるような方法など、それぞれの組織の中で検討していくのも良いと思います。
  • 講義の中で話に出ていたとおり、トイレ、排泄関係での転倒が多く、指示従命できて覚醒も悪くない患者さんで、自分できっちりできると思い、看護師を呼びたくないとの気持ちなどで、看護師が外にいる間に自分で動こうとして気づいたら転倒していたということが多々あります。何か具体的な対策などあれば教えて頂けないでしょうか。
    当院でも絶対こうすれば大丈夫という対策はなかなか難しいですが、先ほども示したように患者さんに協力して頂かなければうまくできないだろうと思います。どうしても患者さんが自分は転ばないだろうと思って、私達看護師を呼んで頂けないことがとても多いので、全ての患者さんに転倒のアセスメントをご自分でして頂いて、自分は転倒する可能性が高いということを自覚して頂くということを取り組んでいます。  患者さんとのパートナーシップが重要なので、ナースコールは必ず呼んで頂きたいということを最初に一緒に看護計画を立案します。できれば患者さんのご家族もその場に参加して頂くと大変いいと思います。その時にまず分かって頂く、私達は協力します、ということをできるだけご説明しています。  それでも1回くらいいいだろうと思ったという方もいらっしゃいます。同一患者が繰り返し転倒する報告もありますので、転んだ時に今後そういうことが起きないように私達はこういうことをしたいので協力して頂けるか、あきらめずに、説得して一緒に共有していくことが重要ではないかと思っています。
  • 転倒の多くは患者さんの要因とのことですが、それでもなかなか防げないこともありますし、家族の協力を得られない場合もありますし、また、面会に来られないご家族が、転倒が起きた時には病院が転ばしたというようなことを言ったりします。日頃から啓発してはいるのですが、家族の理解を得るための対策やアドバイスがあれば教えて頂きたいと思います。
    転倒により重篤なことが起きた場合にはご家族も驚かれますし、病院側の対応を否定してこられるのを防げないこともあると思いますが、まずは入院時にご家族の方同席の場で、転ぶ可能性が非常に高いということをきちんと説明することと、私達もできるだけご協力して安全な対応させて頂くが、防ぎきれないこともあるということのご理解を事前にとっておくことが必要ではないかと思います。  アセスメントした時に特に転倒のリスクが高いだろうと判断した場合には、より必要だと思っています。入院時には全ての方に先ほどの講義の中のリーフレットもふまえて説明するようにしております。またベッドサイドのテレビで、院内案内の中にある転倒転落予防についてのDVDも必ず見てくださいとお願いしております。