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Eナース

S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第20回 看護師が主導するカンファレンスの進め方〜ファシリテーションスキルを中心に

日本福祉大学社会福祉学部 教授
篠田 道子 氏

STAGE2〜4

ライブ研修 1月21日(水)/ オンデマンド研修 1月26日(月)〜2月23日(月)

わが国がめざしている「地域包括ケアシステム」の構築は、多職種連携・協働が前提になります。また、WHO(世界保健機関)は、「専門職とは連携ができる人」と提言しています。患者さんを総合的に理解し、多職種との接点が濃厚な看護師は、カンファレンスではファシリテーターの役割を担うことが期待されています。
本講義では、連携力を高める知識とスキルとはどのようなもので、どうすれば習得できるのかを説明します。さらに、退院時カンファレンスの場面を再構成しながら、ファシリテーションスキルの具体例を解説します。

発信会場:発信会場:公立昭和病院(東京都小平市)

第20回 看護師が主導するカンファレンスの進め方〜ファシリテーションスキルを中心に

質疑応答

  • 精神的なタフさを身に付ける為に役に立ったという経験はありますか?
    精神的なタフさというのはすぐに身に付くものではありません。私も議論を正面から受けとめて人の意見を聞いたり、分かりにくい話でもしっかり聞いて議論の中に取り入れたりということは訓練して得たものです。 やはり、ケースメソッドやケース検討等で100~200事例程度、3桁に及ぶケース検討等を繰り返すことでしょうか。 これだけの数を経験すると、人前で上手くファシリテーション出来なかったり「大学教授がやるのだから上手くできるだろう」というプレッシャーに押しつぶされそうになり、失敗することもあります。それでも諦めずに繰り返しスキルを磨いていくという、いわば自分への挑戦を地道に行ってきました。 おそらく看護部長や看護師長といった部下を持つ立場になりますと、 “部下の前では失敗はできない” といったことが頭をよぎるかもしれませんが、勇気・礼節・寛容、学びの共同体の姿勢をしっかりと共通の価値文化と考え、自分自身も一緒に学んでいるという意識を強く持っていました。 場数を踏み、恥をかいても訓練と思って、時間をかけて一生懸命磨くということが必要です。
  • 人とぶつかる勇気が建設的な対立や反論を生んで議論が深まるというお話があり、人と対立する事を恐れずに勇気を持つことが大切だとわかりましたが、カンファレンスの中で立場的に意見の強い医師に一方的に発言されてしまうと、やはりどうしても意見を言い切れないという雰囲気になってしまうことがあるのですが、ファシリテーターをしているときにもっと安心できる場になるような話し方などあれば教えてください。
    確かにヒエラルキーをカンファレンスの場に持ってきてしまうと、後に続く人は発言がし難くなるというのは事実だと思います。意見が強い人、意見を主張する人、それはそれで良いと思いますが、ファシリテーターとしてはその意見に引っ張られることなく、公正中立に違う意見を引き出したり、患者さんやご家族など弱い立場の意見を意見の強い方より前に発表してもらうということも1つの方法だと思います。 最初にインパクトのある意見が出てしまうと、後に続く人はどうしても発言にブレーキが掛かってしまいます。ですから立場の弱い方から十分に発言をしてもらい、それをファシリテーターが言い換えたり要約するなどをして、しっかりとした意見として最初に位置付けることはできると思います。 初めに立場の弱い方が一生懸命話をし、ファシリテーターが助ける姿を目の当たりにすると、その後は強い意見を出しにくくなると思います。このようなテクニックも必要になります。