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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第21回 せん妄・認知症患者への看護対応

順天堂大学医学部附属 順天堂東京江東高齢者医療センター 老人看護専門看護師/認知症看護認定看護師
佐藤 典子 氏

STAGE1〜2

ライブ研修 2月4日(水)/ オンデマンド研修 2月9日(月)〜3月9日(月)

せん妄は、本人にとって苦痛な症状であり、介護・看護者にとっても対応に苦慮する症状のひとつです。特に入院という環境変化、疾患による苦痛を伴う高齢の入院患者さんのせん妄ケアに苦慮している看護職の方々も多いと思います。中でも認知症患者さんは、せん妄を起こしやすく、また、ケアのいかんによっては、症状が遷延化してしまい、原因疾患や認知症の予後、QOLに影響を与えてしまいます。本研修では、せん妄と認知症に関する知識とその対応の基本について皆さんと学習していきたいと思います。

発信会場:発信会場:新潟大学医歯学総合病院(新潟県新潟市)

第21回 せん妄・認知症患者への看護対応

質疑応答

  • 夜間帯に患者さんがせん妄の状態になり、何か説明をする時に電気を付けて明るくした方が良いのか迷う時があります。また、昼間はリズムをつけるために日光を当てた方が良いのか、その様な時は光や照明に関してどのような対応をしたら良いのか教えていただきたいと思います。
    光は人によっては好みが様々です。自分の場合で言うと明る過ぎるのは苦手です。ただ、字を読む時などは明るくないと見えないので、もし何かを説明する際に字があるものなど、鮮明に見せたいのであれば明るくする必要がありますが、いきなり明るくするのはどうかと思います。患者さんによって蛍光灯の明かりをはっきりつけたいと思う方や、間接照明の方が良いと思う方など、好みの違いも把握した方がいいと思います。あと日中は確かに光を浴びた方が良いのですが、概日リズムの関係もありますので、リズムを付けるには午前中に日光を浴びるのが良いでしょう。
  • せん妄、うつ病、認知症の違いに悩んでいます。精神症状のアセスメントが大変難しいので何か評価方法がありましたらご指導ください。
    違いに悩むのは、生じる症状が似ているからだと思います。講義の中でお話した様に、認知症患者がせん妄を起こす事もありますし、認知症の人が記憶障害に悩んでうつ病になるということもあります。そのへんのことを鑑別するというよりも、うつ病の様な症状が出ているのであればうつ病のケアと治療がなされるべきだと思います。 もちろん、認知症のケアは全人的な尊厳のあるケアになり、多分どの高齢者看護でも、本人の意向に沿って本人のペースに合わせるということは共通であると思います。そこにうつ病の様な症状があるのであればその治療とケアをしていき改善するかしないかを見てみます。ですからいつから症状が始まってその前はどうだったのか、その違いをきちんと見ることが重要だと思います。 認知症の方はいろいろと質問をするとそれなりに何となく合わせた答えを返してくれる方が多いのですが、うつ病の方々というのは思考があまり働きませんので、やろうと思ってもできないというジレンマで症状が悪くなり、考える力が低下している中で質問をしてもすぐ「分かりません」、「できません」と返答が早いのが特徴的です。 あとは高齢者のうつ病の方はできないと依存的になってきます。私もまだ高齢とまではいきませんが、年齢を重ねる毎にこんな事をしてもらえるとありがたいなと思えるようになり、誰かに依存することも必要だと思うようになりました。まだできるのに依存的になるので、もう少し鍛えなければと思う時がありますが、やはり歳をとるということは大変なことなので、多少頼ってくるような症状がうつの中にあったとしても、受け入れながら一緒に行ったり、できることを誉めながら本人の苦痛にならないようにやっていくことで、本人も誰かとやっていける、自分でもできるようになったと自覚しながらうつが良くなっていっていくようであれば、結果としてうつ病だったと判断しても良いのではと思います。