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Eナース

S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第14回 正しく理解しよう!酸素療法

杏林大学医学部付属病院 集中ケア認定看護師教育課程
尾野敏明 氏

呼吸管理(シリーズ) STAGE2〜4

ライブ研修 10月21日(水)/ オンデマンド研修 10月26日(月)〜11月23日(月)

酸素療法とは、吸入する気体の酸素濃度を増加させて、低酸素血症を改善しようとするものです。微量の酸素濃度からほぼ100%の酸素濃度まで調整できるような種々の酸素投与システムがあります。
近年酸素療法は、一般病棟などでも日常的に行われている状況下にあり、看護師に馴染みの深い治療になっています。そのため「酸素=身体に良いもの」と考えている人も多いように感じます。
しかし酸素自体は極めて毒性の高い物質であり、その取り扱いの如何によっては、効果的な作用が得られないばかりか、悪影響を及ぼす危険性も孕んでいます。そのため、まず患者の低酸素血症の程度に応じた適切なシステムを選択して使用する必要があります。
本研修では、酸素療法の基本を踏まえながら、様々な酸素投与システムの特徴と使用方法について確認していきたいと思います。

発信会場:発信会場:長野市民病院(長野県長野市)

第14回 正しく理解しよう!酸素療法

質疑応答

  • 無呼吸について質問です。睡眠時無呼吸になる患者様がいるのですが、その様な方に酸素投与は効果があるのか、また無呼吸が何秒続いたら危険であるのか、すぐに先生に報告をした方が良いのか教えてください。
    ご質問にあった無呼吸がどの位続いたら・・・といったことについてですが、それは、無呼吸になる前の呼吸状態によって変わってきます。一般的に無呼吸がどのくらい続いたらということですが、10秒くらいがとりあえずの目安になっています。 睡眠時無呼吸症候群という症状を皆さんご存知だと思いますが、無呼吸が10秒以上続いた場合でもそう呼びますので、とりあえずの目安は10秒になります。10秒無呼吸だった状態の場合、例えば10秒毎に呼吸をしている場合には呼吸回数としては6回です。人工呼吸器の無呼吸によるアラーム等はたいてい15~20秒で設定している状況だと思いますので、とりあえずの目安は10秒位だと思っていただいてよろしいと思います。 生命にとって危険なのはどのくらいなのかを考えますと、私たちの心拍出量というのは大体1分間に5Lですので、血液循環として考えてみますと大体0.8分で1循環することになってきます。0.8分ですから50秒足らずで血液が1循環することになります。50秒足らずで静脈血の酸素分圧と同じ状態になりますので、静脈血の酸素分圧、つまりサチュレーションとしては75%位下がった様な状況が1分間、だいたい50秒位なのでその位は耐えうると言えますが、10秒、あるいは15秒程度を目安にしていただければと思います。