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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第15回 がん患者のリハビリテーション看護

藤沢湘南台病院 がん看護専門看護師
林ゑり子 氏

がん看護 STAGE1〜2

ライブ研修 11月4日(水)/ オンデマンド研修 11月9日(月)〜12月7日(月)

がん患者のリハビリテーションは、がんの進行と治療過程で生じた身体的・精神的な苦痛をケアしながら、患者さんが、もう一度住み慣れた自宅に戻り社会復帰したり、少しでも機能が回復できるために支援することです。がんのリハビリテーションの分類では、「予防的(preventive)」「回復的(restorative)」「維持的(supportive)」「緩和的(palliative)」
の4つの段階があります。各々の段階に応じて、がん治療の中で日常生活支援を担う看護師だからこそ、多角的視点より包括的にアセスメントし、がんリハビリのコーディネーターとして支援することで、患者の希望や目標の維持・向上、がん患者さんのQOL向上を実現可能となれるようにお役立て頂きたい。

発信会場:発信会場:藤沢湘南台病院(神奈川県藤沢市)

第15回 がん患者のリハビリテーション看護

質疑応答

  • 子宮体がんの患者様で、骨盤への転移があって骨折のリスクが高い方なのですが、 起き上がりたい、歩きたいと言った訴えが聞かれています。このような骨折のリスクが高い患者様へのリハビリ介入の方法を教えてください。
    日々緩和ケア病棟では患者様が残された時間を“歩きたい、自分でご飯が食べたい、自分でトイレに行きたい”といった希望をサポートすることが多いのですが、歩くことによって骨折するリスクが非常に高い方に関しては悩ましいケースだと思います。日ごろ緩和ケア病棟では患者さんの思いとリスクとどちらが最善であるのかをディスカッションしてケアの方針を立てているかと思います。答えはないと思います。患者様が骨折してでも歩きたいという気持ちがあるのであれば、その気持ちをサポートしつつ、回旋や無理な姿勢だけは骨折してしまう可能性があるので、最善のサポート方法を我々と患者様とで話し合い納得するということが一番良いケアの方針かなと思います。 子宮体がんの方で骨折の可能性があるので歩いてはいけませんという事はありません。 患者さんが大事にされている価値として歩きたいという気持ちを汲み取りつつ、一番良い方法を選んでいくことが一番だと思います。 全症例に合う様な答えではないと思いますが、皆さんで、多職種で、話し合って最善の方法を見付けていただければと思います。
  • スポーツ整形病棟に勤務していますが、リハビリと言うと回復をして、私が見ている患者様ですとスポーツに復帰をすると言った明るいイメージがあるのですが、終末期の方に対するリハビリに対して、どうイメージしたら良いのか分からないので具体的な事例がありましたら教えてください。
    私も患者様やご家族と関わっていて、「緩和ケア病棟ではリハビリも出来ますよ」と言いますと、「リハビリテーション出来るのですか?」と言われます。やはり患者様やご家族や多くの医療者は、回復イコール機能の回復がリハビリテーションというのがおそらくあると思います。私が日々がん患者リハビリテーションチームに関わっている理学療法師さんの動きを見ていますと、日々進行していく患者さんに対して毎日ケアしていてコミュニケーションのスキルも高く、患者さんは「明日も来てくれるの?」「明日も足触ってくれるの?」といった反応があります。腕も確かに良く、リンパマッサージの後に脚を触るととてもソフトで少し小さくなっている感じもあります。 ゴールとしては治るとか回復するとか戻るということは非常に難しいのですが、毎日継続していくことでリハビリテーションが患者さんにとって凄く癒しがあって精神的、身体的安全に繋がっているなと思います。 がん患者のリハビリテーションというところでは“戻る”や“回復”という概念は置いておき、発想を変えて継続して患者さんの癒しになるか、患者さんの満足に達成しているかといったところがアウトカムになってくるのかなと思います。