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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第21回 緩和ケア医が語る看護倫理 〜ケアの本質とは

東大阪市立総合病院緩和ケア内科
進藤喜予 氏

看護倫理 STAGE1〜4

ライブ研修 2月3日(水)/ オンデマンド研修 2月8日(月)〜3月7日(月)

医療者は、患者さんによりよい治療・ケアを提供するためにどうしたらいいのだろうかと日々悩んでいます。その時に、人間として医療者としてのあるべき姿勢が求められます。そのあり方が倫理的であり、どうしたらいいのかと一緒に考えることが臨床倫理です。臨床でのケアはすべて倫理的に考えられているはずです。そのことを明らかにしながら、大きな問題に直面した時に、倫理的に対処するとはどういうことなのかを考えてみたいと思います。患者さんにとってよりよい医療を行うためには、その人をみなければなりません。看護はその人をみることから始まると思います。その力が倫理を考える上で不可欠であり、看護倫理はよりよい医療の基なのです。

発信会場:発信会場:堺市立総合医療センター(大阪府堺市)

第21回 緩和ケア医が語る看護倫理 〜ケアの本質とは

質疑応答

  • 化学療法看護認定看護師をしており、日々患者様の治療の選択の際に関わることが多いのですが、カンファレンスなどで医師の先生達を巻き込んでいない現状があります。カンファレンスなどで多職種間を巻き込んでの話し合いの場を持つ時など、こういう風にしたらよいという導入できるようなことがありましたらお聞かせください。
    現実問題として、本当に難しいことだと思います。当院の緩和ケア病棟の場合は、カンファレンスは朝と昼に必ず参加させて頂き、一緒に考えるということをしています。ただ、他の病棟ではなかなかカンファレンスにドクターが参加するのは時間的な制約もあって難しいですし、薬剤師さんや他の職種の方ももなかなか難しいかなと思っています。その中で、現実に患者様には患者様の思いがありますので、私自身は緩和ケアチームの一員としても病院の中で動くにあたって、患者様の気持を聞いていくということをしています。 その時に、自分の思いなどはまず置いておき、患者様の今の苦しみが何なのか、患者様がこうありたい、ああありたいという思いの前に、苦しんでいるから病院に来ているのだということで、まずは苦しみのことを聞いてみるということから始めます。その中で、患者様が語るということで自分を変えていくこともできるという力を信じていたいと思っています。そしてその言葉をできるだけ治療のドクターにもお伝えし、ナースやそのほかのスタッフもカンファレンスにも参加していただくようしています。 みんなで寄ってというのはなかなか難しいかと思いますけれども、ドクターの中にも一緒に考えようという方が何人か必ずおられると思いますので、その方たちを巻き込みながら、最初はナースとして患者様から聞いた言葉をドクターに伝えていってほしいと思います。そしてドクターもあるいは他の職種も、こんなことを考えているんだ、じゃあ自分はこう思うんだ、ということを言葉にしていけるかなという風に思っています。 まず自分のこうあってほしいという思いの前に、患者さんの言葉をドクターに伝えてほしいと思います。そしてそこからみんなで考えようという風土が日本の医療現場にできていけばいいなと思っています。
  • 血管が出にくい患者さんの化学療法前採血時、治療が決定していないのにヘパリンでロックしておく事に看護師間・医師と意見が様々です。カンファレンスの結果、医師からのヘパロックをしてあげるのにそんなに抵抗せずに何時でも相談してもらったら指示出すと言うことに決まりましたが、何となく安易に決定してないかジレンマがあります。先生の所や一般的にはどうされていますか?
    ご質問のようなことはどこでもよくあることだと思います。 医師と一緒に考えてくださったことは、たとえどんなに些細なことでも素晴らしいです。 この患者さんご自身はヘパロックをすることをどのようにお考えでしょうか? 患者さんにとってのメリット、デメリットはどのようなものでしょうか? 患者さんの想いや意向を確かめることが一番、そしてメリットデメリットを患者さんにお伝えして、 ともに考えて答を出していくことが大切だと思います。 ご質問の文から、医療者が患者さんのことを考えておられるのはよく分かりますが、 患者さんご自身の想いやご意向を中心に方針を決めていくことが、最善の方法を選ぶことになると考えます。