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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第18回 虐待のメカニズムと対応~看護師だからできること

杏林大学医学部付属病院 メディカルソーシャルワーカー
加藤 雅江 氏

看護倫理 STAGE1〜4

ライブ研修 12月21日(水)/ オンデマンド研修 12月26日(月)〜1月23日(月)

患者さんとの関わりにおいて、持っている知識や経験の量、あるいは質によって支援の内容が変わってきます。支援の内容が変わってくるということは到達点も変わってくる、結果が異なる、という事です。支援する側にとっては取るに足らない失敗であっても、対象者にとっては取り返しのつかない傷になることもあります。その重さを日々感じながら仕事をするのが専門職であると思っています。   支援の手札を増やせるように、虐待のメカニズムについて学び、効果的な支援とは何であるのかを考えていきたいと思います。

発信会場:発信会場:S-QUEスタジオ(東京都調布市)

第18回 虐待のメカニズムと対応~看護師だからできること

質疑応答

  • 救急外来などを受診された患者さんなどで、過干渉が少し気になる親子関係を認めた際に、治療の経過として入院は必要なく、外来での対応で終了してしまったケースでは、そのような情報をどのように共有していったらいいのでしょうか。
    当院では例えば小さいお子さんが事故での怪我などで来た時は、事故防止のシートに色々なことを書いて頂きます。その中で気が付くのは、やはりそのお子さんのことを地域にフィードバックすると、地域の方たちも心配しているようなお子さんだったり、あるいは事故を繰り返していたり、当院だけではなく色々な病院に関わっているお子さんであることが多かったりします。気になることがあっても、医療機関が違うとその情報共有ができなかったりしますので、その自治体の中でキーになっている子ども家庭支援センターや、年齢によっては保健所にその情報を伝え、プールしておいてもらう方がいいと思います。大したことではなくとも、それが3つも4つも重なれば大したことになります。ある時は手の骨折、ある時は顔面の挫傷、ある時は頭部打撲となりますと、おかしいという話になりますので、やはり情報共有ができるような形をとっておいた方がいいと思います。
  • 病院に来られた患者さんで、傷以外に虐待を疑うべきポイントは何かありますか? 精神的な虐待も含めて苛察を疑うべきポイントがありましたらお願いします。
    講義の中でもお話ししたように、どれだけ私たちが虐待という言葉を柔軟に解釈できるかというところだと思います。極端な話ですけれど、日々外来の看護師さんからPHSにたくさん連絡が入るのですが、ある時に頭に造花のひまわり付けたお母さんがいるから来てと言われたこともありました。それでそのお子さんを見ると、洋服などがきれいでありませんでした。そのお母さんの頭のひまわりとお子さんの服装がミスマッチで、看護師さんが心配になるのも当然だと思いますが、そのことをそのまま児童相談所に伝えてもどうにもならないと思います。しかし、養育支援というカテゴリーの中で見れば、保健師さんに訪問してもらうなど、色々な手があると思います。それによって大きな虐待が起きないのであるなら、それで良いという視点に立ってい頂ければと思います。
  • 高齢者の虐待についての対応は小児と何か違う点がありますか。
    高齢者の虐待というのは、それこそどうしてそのような事態になってしまったのかということを考えますと、その家族の歴史の振り返りまで必要になってきます。紐解いていくと以前にDVがあったり、当事者が小児だった頃の虐待の果ての今の高齢者虐待などが見えてきます。また、それに関わるところも強制力を持って色々動くということができなかったりしますので、なかなか退院してくれないような、虐待を受けているかもしれない高齢者に出会ったりした時は、帰った後の安全確認がどれだけできるか、できないかを評価しながら、地域の色々な人たちの協力を頂きながら関わっていくしかないかと思います。