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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第19回 血管内留置カテーテル関連血流感染対策のポイント

大阪大学医学部付属病院 感染管理認定看護師
鍋谷 佳子 氏

感染管理 STAGE1〜2

ライブ研修 1月11日(水)/ オンデマンド研修 1月16日(月)〜2月13日(月)

血管内留置カテーテルは、不適切な管理により血流感染に繋がるハイリスクな医療器具です。血管内留置カテーテルには様々な種類があり、中でも中心静脈カテーテルの感染リスクが高いといわれています。 本研修では、中心静脈カテーテルの挿入から挿入後の管理について説明します。また同じ中心静脈カテーテルでも、短期用(非皮下トンネル)や長期用(皮下トンネル、完全埋め込み型)による管理方法の違いについてもお話ししたいと思います。

発信会場:発信会場:美杉会男山病院(京都府八幡市)

第19回 血管内留置カテーテル関連血流感染対策のポイント

質疑応答

  • 感染兆候があり、CVカテーテルを入れ替える場合に、ドクターによっては抜いた後、24時間は間をおきたいので末梢からルートを取るよう指示されることがあります。どうしてもルートが取れない時があり、ドクターによってはすぐ入れ替えてくださる先生もいるのですが、感染リスクとして有意差はあるのでしょうか。
    CVを入れ替える際に24時間あけないといけないというのは私は聞いたことがないです。血管内に異物が入るという意味では、CVでも末梢でも同じだと思います。同じ部位から挿入するのが難しいという意味かもしれませんが、CVが必要であれば、別の部位からアクセスして挿入するのが必要だと思いますし、当院でもそのように入れ替えています。末梢で対応できるのであれば、そのCVルートは不要なのかもしれません。適応をまず考える必要があるのではないでしょうか?
  • CV挿入前の皮膚の清潔について教えて頂きたいのですけれども、SSI防止としては、当日の入浴は避けて前日の夕方までに入ってくださいと言われていますが、CVを挿入する時は直前が良いのか前夜が良いのか教えて頂きたいと思います。
    皮膚を傷つけないという意味で、ごしごし擦るのは良くないと思いますが、CV挿入に際して、前夜の入浴と直前の入浴でどちらが感染率が低いか、というような報告はないと思います。入浴できない方でも、その部分だけはきれいに保清し、汚れを取り除いてから消毒することで消毒効果が期待できると思います。
  • CVラインの交換について、CV感染を疑う場合は速やかに交換して頂くようドクターに声かけしています。講義の中で「ルーチンの交換はしない」とありましたが、そうと言ってもずっと入れておくわけにもいかないので、何か入れ替えする時期の目安などありましたら教えてください。
    そもそもCVラインの種類には、長期に留置するものと短期に留置するものがあります。どのくらいの期間、挿入する必要があるかを考えて選択する必要があります。短期で使用する非トンネル型のものを(入れ替えて)長期で使うのではなく、長期間留置が必要であればPICCや皮下トンネル型など、長期留置用の感染リスクの低いCVカテーテルを使用すべきです。感染兆候がなく、適切に使用できるラインであれば、期間で区切る必要はないと思います。
  • 埋め込みのポートを管理するにあたり、穿刺部の消毒について質問です。講義の中で3種類の消毒薬をご説明して頂きましたが、先生はどれが一番よいとお考えでしょうか。
    まず、患者さんに合わせてください。クロルヘキシジンが使用できない方にはクロルヘキシジン含有アルコールは使用できませんし、ヨード禁の方にはポビドンヨードは使用できないです。患者さんの制約がなく、どれでも使える場合であれば、ポビドンヨードは消毒した後、乾燥するまで待たないといけないのですが、臨床現場で待つのは難しいと思います。それも2回、3回消毒するので、すごく時間がかかります。それを考えると、クロルヘキシジン含有アルコールか70%アルコールの方が臨床現場では使いやすいかと思います。では2つのうちどちらかというと、クロルヘキシジンは、残留効果があるので、70%アルコールよりもクロルヘキシジンが含有されたものの方が、その効果が期待できると思うので、クロルヘキシジン含有アルコールが良いのではないかと考えます。