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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修
第11回 スキルアップ!高齢者のスキンケア
国保旭中央病院 皮膚・排泄ケア認定看護師/特定看護師
加瀬 昌子 氏
皮膚排泄ケア STAGE1〜2
ライブ研修 9月6日(水)/ オンデマンド研修 9月11日(月)〜10月9日(月)
高齢者の皮膚の特徴は、細胞分裂が低下し表皮のターンオーバーの延長から有棘細胞層の減少、表皮突起の平坦化により皮膚は菲薄化します。
一方、表皮のセラミドの減少、細胞内水分の減少、真皮のコラーゲンの架橋結合の減少、エラスチンの変性で菲薄化します。つまり、表皮と真皮の結合が弱くなり、真皮の弾力性が失われるため、表皮最下層にある基底層がはがれやすいですし、また、外的な刺激でずれを起こしやすくなり、褥瘡発生やスキン・テア(皮膚裂傷)を起こすリスクが高くなります。
皮膚の耐久性が低下している高齢者の皮膚の場合、皮膚に物理的刺激を与えない愛護的な清潔法を推奨します。できるだけ皮膚にダメージを与えずに効果的に汚れを落とす方法を紹介いたします。
発信会場:花と森の東京病院(東京都北区)
質疑応答
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- 言葉の質問になります。クリティカルコロナイゼーションという言葉がありましたが、分かりやすく説明して頂けますでしょうか。
- クリティカルコロナイゼーション(critical colonization) についてですが、皆さん感染という言葉は理解されていると思います。どうしても開いてしまう傷はコロニゼイション(colonization)と呼ばれる汚染創ですので、必ず菌は付着しているのですけれども、感染にまでは至っておらず、感染に移行しそうな傷の位置付けをクリティカルコロナイゼーションと言われています。創には細菌は存在するものの生体の力が大きいContamination(創汚染)と細菌が生着していても生体と釣り合っているColonization(細菌定着)を示しています。
この二つは正常な治癒過程でみられる状態であり、感染に移行しそうな創の位置づけをクリティカルコロナイゼ―ション(臨界的定着)と言います。
その見分け方は講義の中でスライドにお示しした通り、肉芽が浮腫状であったり、肉芽の色が悪かったり、牛肉と豚肉に例えるのはあまり例が良くないかも知れませんが、どちらかというと豚肉のような赤色でない色を呈していたり、あとは何と言っても臭いがきつく、それからぬめり感といいますか、必ず目で見るのですが触れてみますとぬめっとした感じがあります。
ずっと滞ってしまうと傷も治りませんし、感染に移行してしまいますので、クリティカルコロナイゼーションと呼ぶ感染しそうな傷の時に対処してしまうことが非常に重要とされております。
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- 訪問看護をしております。実際にオムツのトラブルでタダレがあるのですが、在宅ですとパウダーなどはなかなか使えず、医師の方から亜鉛華軟膏の処方があります。以前にこういった褥瘡の講義を受けた際に亜鉛華軟膏をできるだけたっぷり塗り、便が出たらそこだけ取り除けばいいとお話を聞きましたが、亜鉛華軟膏をタダレのところに塗りますとどうしても弾いてしまいます。何か対策はあるでしょうか。
- ひどいトラブルになってしまいますと、パウダー自体も弾かれてしまいます。ですので、よくやるのですが、亜鉛華軟膏とパウダーを交和させます。亜鉛華軟膏を6から7、パウダーを3から4の割合で混ぜまして、壁のように塗ってあげます。それを塗ったままにしておき便などで汚れたところだけ取り除き、また同じく付けてあげます。それを繰り返しますと早く治るという経験があります。
在宅でパウダーが使えないとのことですが、亜鉛華軟膏をたくさんつけると人件費的にも時間的にも大変ですし、パウダーは1つ2000円弱でそれほど高くなく、またそれほど量も使いませんので、ご家族に理解を頂いて1本購入しその間に治してしまうといった対策で進めて行かれると、処置する方も患者様も苦痛なく治すことができると思います。
実際、当院でも訪問看護ステーションを持っていますが、やはりそういった質問もあり、このような対応をしています。ご家族の理解を得る必要がありますが、引き出しの1つかと思います。
- 訪問看護をしております。実際にオムツのトラブルでタダレがあるのですが、在宅ですとパウダーなどはなかなか使えず、医師の方から亜鉛華軟膏の処方があります。以前にこういった褥瘡の講義を受けた際に亜鉛華軟膏をできるだけたっぷり塗り、便が出たらそこだけ取り除けばいいとお話を聞きましたが、亜鉛華軟膏をタダレのところに塗りますとどうしても弾いてしまいます。何か対策はあるでしょうか。
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