年間スケジュールSCHEDULE

ホーム » 年間スケジュール » S-QUE院内研修1000&看護師特定行為研修 » 第6回 急変とは何か?〜CPAリスクの評価を看護師視点で考える

Eナース

S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第6回 急変とは何か?〜CPAリスクの評価を看護師視点で考える

岸和田徳洲会病院救命救急センター 診療部医長
薬師寺 泰匡 氏

STAGE2〜4

オンデマンド研修 6月24日(月)〜7月22日(月)

「先生!○○号室の○○さん急変です!」って言っちゃいませんか?ちょっと掘り下げて考えてみましょう。みなさんが急変と呼んでいる現象は、本当に急に変わっているのでしょうか?前兆がなかったでしょうか?ちょっと様子がおかしくなかったでしょうか?そして、急変って一体どんな状態なのでしょうか?心停止?ショック?急変という言葉は意外と曖昧に使われています。急変を防ぎ、そして適切に対応するためにも、まずは戦う相手を知る必要があります。今回は急変が指す言葉の意味を明確にし、急変への対応を考えていきたいと思います。この講義を聞いた人は、明日から「急変時DNAR」などという言葉を使えなくなるはずです。

発信会場:藤沢湘南台病院(神奈川県藤沢市)

第6回 急変とは何か?〜CPAリスクの評価を看護師視点で考える

質疑応答

  • 急変した患者様のご家族についてですが、気管挿管についての説明に対して、気が動転してしまって興奮気味にとにかく助けてくださいと話される方が多いです。その際に本当にご家族は正しい判断をしているのかと思うことがあるのですが、そういった場合にどう説明されているでしょうか。
    気管挿管するかしないかという話ですが、不必要になったら抜管すればいいだけですので、無条件に気管挿管はします。勘違いしている方も多いかと思いますが、気管挿管は危険な行為ではありません。例えば血管内に静脈留置針をよく入れていると思いますが、体の内部に物を入れているので、こちらの方が危険です。挿管は体の外部に管を1本入れているだけです。何が問題かといいますと、失敗すると危ないので危ないというだけです。
    また、抜管はだめなのかといいますと、気道を確保して必要がなくなったら抜いてしまってよいです。ただし、抜いた結果、即時窒息することが明らかな方や、人工呼吸を止めないと抜けないという方は抜いてはいけません。
    挿管して治療したら抜いてしまえばよいので、本当に急変だった場合は挿管するべきか迷う必要はありません。挿管してから、急に容態が変わりましたが予見できませんでしたと、きちんとご家族に説明してあげればよいと思いますし、予見できたら前もってきちんと説明しておきます。
    誤嚥、窒息することが明らかですので、その際に助ける方法は、確実な気道確保として気管挿管するしかありません、おそらく抜管はできませんから気管切開することになりますと説明をしておき、いざという時どうするか事前に話しておくことになります。本当に急変だった場合に、全力を尽くさないと医療従事者としてアウトではないかと思います。
    昨今、急変時DNARという言葉を使うから話が分からなくなると思います。心停止時どうするかということを明確に決めておけば、対応に困る必要は全くないです。心停止時以外は全力です。心停止時以外に全力でないというのは暴力的ではないですか? 本当にそういう場合は、言葉を濁さずに家族にお伝えするべきです。急変時どうしますか?ではなく、気道閉塞の危険があります、おそらく呼吸が立ち行かなくなりますとか、具体的に治療法と変わっていく病態を推測しながらお話を提示してあげないといけません。