ワンポイント介護 ライブラリ
CHAPTER5 ベッド上での移動及び体位変換、起き上がりの介護
富山県介護福祉士会副会長
舟田 伸司 氏
ねらい:起居に際し、起居に入る前から起居にいたるまでの意思確認及び主体性を尊重し、動作能力に応じた介助を行う。適切な声かけをしつつ、ボディメカニクスの「テコの原理」を使えるようにする。
-
1ボディメカニクスについて公開中
『移動』は人間として生きる上で重要な行為であり、単に『動く』ということではなく、「何かをする」という目的意識を持って行う、楽しみや精神的充実感につながることです。従って、患者さんがしたい事や今現在している事に着目し、「意欲の継続」に向け、介護者は患者さんの個別性に配慮し、移動の「自立を支援」して、「安全・安楽の介護」実践をすることが望ましいです。当日の体の状態を把握し、意思確認を忘れず様子を観察しながら、患者さんと介護者自身の負担を軽減していくボディメカニクスを実践します。
-
2体位変換と上方移動(+スライドシートの活用)公開中
確認ポイントやボディメカニクスと、ノーモアキャッチ、ノーモアリフトを意識した体位変換の実際を見ていきます。支持基底面積を確保し、無駄な持ち上げ動作を省き、クッションなどを利用して良姿位を保ちます。患者さんが安楽かどうかを確認し、介護の終わりは本人の同意と協力で終わることが大事です。ベッド上でのファーラ位やヘッドアップのためには上方移動の介護が必要となりますので、その実際も見てみましょう。スライドシートの有効利用のポイントも学びます。
-
3起き上がりの介護 公開中
起き上がりは、体位変換から始まる離床の一歩です。生活拡大に向けての重要な介護となります。たとえ歩くことができても、起き上がることができなければ、生活自立にはつながりません。日々の関わりにおいて、より自立支援を意識して介護を行うことが大切です。介護の目標は生活支援と生活復帰にあることを念頭に、生活リハビリの概念をもって行います。現時点の状態だけでなく、将来のよりよい生活機能の状態や、患者が望む生活という目標も考えて、その実現に向けて介護を行うことが重要です。