排泄は、人間のプライドや羞恥心に関わる介護であると同時に、その回数も多く、患者さんだけでなく介護職にとっても、負担の大きいものです。準備を十分に行って、安全に素早く介護を行うことにより、患者さんの不快感を軽減できます。また、患者さんの状態に合わせて環境を整備することで、患者さん自身の能力の活用につながり、本人のみならず介護職の負担軽減にもつながります。

トイレの排泄介護では、介護者が「大丈夫だろう」と油断してしまう事に多くの危険が潜んでいます。座位が安定している患者さんの場合、気持ち良く排泄していただくためには、介護者がその場から一旦離れることが必要ですが、長時間離れると患者さんの体調急変や姿勢を崩した時に対応ができません。リスクの軽減、患者さんの安全安楽な生活を支える介護を心がけましょう。

ポータブルトイレの場合、立位困難であっても寝ている状態でズボンの上げ下げができるので、患者さんが排泄できる可能性が増えるだけでなく、介護の負担やリスクも軽減できます。また、寝て過ごす時間も長くなりがちな入院中はオムツを使用するようにもなってきますが、オムツであっても尿意や便意を確認することは、交換して欲しい時に介護してもらえるため、本人が主体的にオムツ交換に関われる事になります。