介護技術研修 ライブラリ
健康を保つための口腔ケア
医療法人社団 上田歯科医院
上田 均 氏
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1口腔ケアの重要性公開中
『口腔ケア』は『食事の目的』に直結する介護である事はもちろんのこと、感染予防の視点や健康の保持増進、成長発達の促進、『話す』という社会性の保持という意義もあり、毎日欠くことのできない重要な意義を持ちます。また、口の中は細菌の巣窟であるため、口腔ケアは死に至る急性疾患である高齢者の肺炎を、効果的に予防することが可能となります。周術期管理においても口腔ケアの重要性が指摘されています。口の中が管理されていないと、全身管理がうまくできなくなります。
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2口の中の介護と義歯への対応公開中
日本は世界に類をみない高齢化社会ですが、老人の直接的な死因で一番多いのは口腔内に潜んでいる細菌による肺炎です。老人性肺炎の原因菌は、歯周病の原因となる細菌であるため口腔ケアが重要となります。口腔清掃がよくないと、慢性呼吸器感染症の起こる確率は極めて高くなります。高齢者では口腔ケアが自分で十分に出来ないかたも多く、介護が必要な場合があります。ここでは、口腔内の介護の考え方と、防菌スプレーを使用した義歯への対応をご説明します。
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3口腔ケア時の観察とチェックポイント公開中
口腔ケアを考える前に、まずは高齢者の日常生活でよくみられる症状として、食べこぼしがある、むせる、うがいができない、口臭がある、お口が渇く、歯磨きができない、またはしない、などの他に話をする機会がない、人と関わらない、笑わない、表情がない、転びやすい、微熱が続くなどがみられます。こういったことは、口腔機能が低下している1つのサインです。口腔ケアの際には、義歯のケアと歯、歯茎、舌など全体の清潔を保つことが観察の重要な視点となります。口の中の造りを理解し、内側外側・上下などの位置、歯の形状によってブラッシングのやり方は細かく違ってきますので、その実際を観てみましょう。