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S-QUE院内研修1000’ & 看護師特定行為研修

第15回 疾患別がんのケア~女性特有のがんについて

東京慈恵会医科大学医学部看護学科 成人看護学
大坂 和可子 氏

がん看護 STAGE1〜2

ライブ研修 11月2日(水)/ オンデマンド研修 11月7日(月)〜12月5日(月)

乳がんや子宮がん、卵巣がんなど女性特有のがんは生殖年齢にあたる若い世代から発症する傾向があります。がん治療の恩恵は大きいものの、女性特有のがんとその治療の場合、生殖機能、ボディイメージや外観(アピアランス)、役割と人間関係など女性が自分らしく生きることに影響がおよぶことがあります。本研修では、女性特有のがんと治療が及ぼす影響を女性の身体的側面、心理的側面、社会的側面といった多側面から理解し、女性が中心になるがん看護について皆様と一緒に考えたいと思います。

発信会場:発信会場:美原記念病院(群馬県伊勢崎市)

第15回 疾患別がんのケア~女性特有のがんについて

質疑応答

  • 当院ではがん患者さんというよりも、神経難病の患者さんが多いのですが、その際にもこのオタワ意思決定ガイドというのは使えるのでしょうか。
    オタワ意思決定ガイドが他の疾患の患者さんにも活用できるのかについてですが、こちらは全て質問形式になっており、患者さんが自分で、もしくは医療者と一緒に質問に沿って項目を埋めることができるようになっています。ですので、意思決定を必要としている人なら誰でも使えるツールになっています。 医療における意思決定でも使えますし、もしくは自分の人生のことで、例えば看護師自身がこれからのキャリアアップをどうしたらいいのか進学するのかしないのかといった、社会的な課題についても活用ができます。
  • 意思決定を様々な場面で行わなければならないということは分かりましたが、意思決定の本題に入る口火を切るまでが難しく、その1つのツールとしてオタワ意思決定ガイドは使えるのでしょうか。
    口火を切るのがなかなか難しいということですが、確かにその通りだと思います。患者さんは医療者にどこまで相談したらいいのか悩んでいることが多いですし、いきなりプライバシーにも関わるような本題に、医療者としてズバッと入っていいのかどうか本当に悩ましいところかと思います。患者さんにもし悩んでいることがあれば、これから決めるべきことについて一緒に整理してみませんかとか、決めることをお手伝いできるのですがいかがですかとか、何か少し声をかけることで、希望される方もいるのではないかと思います。ただ、患者さんによっては自分で決めたいといった方も多くいらっしゃると思います。ですので、やはり支援のニーズがどの程度あるのかを探りながら、ニーズがある場合に支援するといったことが必要ではないかと思います。
  • 講義の中で紹介していました「意思決定についての乳がん患者の考え」のスライドで、意思決定の割合が出ていますが、1番の「医療者とよく相談して自分にとって最良の方法を一緒に決めたい」が72%とありますが、私の中では少し意外な数字でして、どちらかと言いますと「家族と相談して方針を決めたい」がもう少し多いのかなと思っていたのですが、その辺りのことで何か先生のお考えなどございましたらお願いいたします。
    この調査の結果は、私が博士論文でこれから乳がんの手術を受ける患者さんを対象に調査をさせて頂いた時のものです。平均年齢が50代前後でして、比較的若い方が対象となっておりました。また研究協力施設が1カ所でしたので、その病院に通う患者さんの特性というのも考えられるのですが、特に術式選択に関しまして、先ほど講義でもご紹介したように、特に早期の場合は生存率が変わらないというエビデンスが出ております。メリットとデメリットが双方ありますので、患者さんはしっかりと情報をもらい、自分にとって一番いい方法を一緒に選んで決めたいと答えたのではないかと思います。 あとは相談する場合に、どうしても40代、50代の方の両親ですと、かなり高齢になっており、両親には伝えられないという思いを抱えていたり、また子供も小さい場合は、家族になかなか言えなかったりといったこともあり、やはり自分の人生なので自分でしっかりと医療者と話し合って決めたいという方が多かったのではないかと考えられます。
  • 私はどうしても胃瘻造設や、呼吸器の導入や、家族の涙など、色々な場面でとても感情移入をしやすいのですが、女性のがん患者さんの時もおそらく同性なので同じように感情移入してしまうと思います。感情移入した時に、治療のメリット、デメリットに対して自分の価値観を押し付けてしまうのではないかという悩みがあるのですが、それを防ぐにはどうしたらいいのかご指示頂ければと思います。
    私たち看護師は患者さんの気持ちに寄り添うことや、共感することをとても大事にしておりますので、すごくよく分かります。お話をする際に客観的な立ち位置を保つといったことが、患者さん自身の意思決定を支援する上で重要だと思うのですが、ツールを使うということが1つ手助けになるのではと思います。対面的にお話を進めていくと、感情が表出したり傾聴してお話を進める場合が多くなるか思います。ツールを使ってそれを一緒に埋める作業などされると、患者さんも割合冷静に自分の考えが整理されていくようです。
  • 女性でがんになる方の特有の悩みということで、特に40代から60代までは、女性の役割も変わっていく年代だと思います。先ほどの先生の研究のところで、家庭での役割などで悩んでいる方も多いということでしたが、家庭の役割が変化していく中で意思決定がなかなかうまく進まなかった事例などもしありましたら教えて頂けたらと思います。
    患者さん自身が役割を遂行する上でどう支援していくかということですが、私が患者さんと関わる場面というのは、患者さん同士が集まるピアサポートグループになります。1対1で患者さんと医療者として関わるというよりも、患者さんが悩みを分かち合い、知恵を分かち合うような会の中でグループのファシリテーターとして参加していますが、生活の中の悩みというのは、自分も経験できてない部分も多くありまして、どのようにアドバイスしたらいいのか、とても悩ましくあります。そういった場合に、特に生活の場での選択については、医療者が支援するといったこともできると思いますが、患者会や、がんの場合ですとピアサポーターなども養成していると思いますので、そういった場で仲間同士で話をし、相談をして気持ちを分かち合っていくことで、少しずつがんを乗り越えていき、自分らしさを発揮し生活していくことにつながるのではないかと思います。 そういったグループに来たばかりで、涙を流しながらこれからどうしていったらいいか分からないといった悩みを抱えた患者さんもいらっしゃるのですが、その場で感情表出して仲間を作り、そうしているうちにぱっと視界が開けるように表情が変わっていく姿を見ていますと、やはり医療者だけではなくてピアサポートを充実させていくことも、生活の中での意思決定を支える上では必要なのではないかと考えます。